皆さん、ちょっと早いですが桜の季節です。 SalesforceのメジャーバージョンアップであるSpring'14は、既に英語版のリリースノートが公開されており、リリース日は少し延びてしまいましたが日本向けapインスタンスのバージョンアップは3/15に予定されています。
そこで今回はSpring'14でどのような機能が追加されるのか、一部ではありますがサクッと紹介してみようと思います。
あくまで概要レベルの紹介なので、詳細について知りたい!と思った方はリリースノートをご確認ください。 ※現段階での予定なので、スケジュールやリリース内容の変更にはご注意ください
一般機能
- ■ IE11サポート
- ■ オブジェクトレコードに対してのTopic追加
Chatterで使えているTopic機能がオブジェクトのレコードに対して使えるようになります。
追加したTopicはビューの条件にも指定できるようです。
- ■ ライセンスあたりのファイルストレージ拡張
組織のファイルストレージ容量の計算が1ライセンスあたり612MBから2GBに拡張されます。
後述するFiles Syncの機能を快適に使うには、今までよりストレージ容量が必要になると思われます。
- ■ スキル(Pilot)
Chatterプロファイルに自分の専門分野を記述することで、組織メンバーと共有します。
- ■ UserとOpportunityに対して拡張ルックアップ検索を使用可能に
Chatter
- ■ Salesforce Files Sync(Pilot)
以前Chatter boxという名前で予定されていた機能のことだと思いますが、企業版Dropboxのような機能です。デスクトップやモバイルデバイスからSalesforceを介してファイルを共有することが出来るとともに、各デバイス間での同期も実行されます。クライアント側で使うには専用ソフトのインストールが必要となります。
- ■ グループ機能強化
グループに対してお知らせ通知、レイアウト修正といった機能強化やアーカイブ済みグループが制限にカウントされなくなる変更があるようです。
- ■ Chatterからのお知らせメールのブランディング
- ■ Chatter Expert messageの非表示
以下の通知がなくなるようです。
コミュニティ
- ■ メンバー同士のプライベートメッセージの送信
- ■ バッジの授与
Sales
- ■ 売上予測の多角的観測
- ■ 売上予測(Classic)のSummer'14での廃止
- ■ Salesforce for Outlookの機能強化
- ■ 注文オブジェクトの追加(GA)
- ■ 必要に応じてテリトリー管理を無効化することが可能に
Service
- ■ ナレッジ機能強化
コンソールにウィジェットを配置したり、ナレッジ検索の機能が強化されるようです。
- ■ Live Agent機能強化
Agentとのダイレクトチャット機能のGA、Liveチャット中のファイル共有(Pilot)等があります。
- ■ アイデアやアンサーのリッチテキストでコード記述ボタンの追加
分析
- ■ サマリーレポートのサマリー単位でのソート機能
- ■ レポートエクスポートでフッター削除
Export時に最下部に表示されていたフッターが表示されなくなります。
下記の画像は出ている状態。
- ■ マトリックスレポートのヘッダーのフロート表示
- ■ レポート作成画面のUI変更
ボタンの位置で若干の変更があるようです。
Site.com
- ■ メタデータAPIでデプロイ可能に
- ■ サイトのバージョン管理
- ■ サイトのブランディング
- ■ カスタムプロパティの追加
Force.com一般機能
- ■ 権限セットの一括追加
- ■ 項目セットのGA
- ■ TEXT()関数で選択リストのサポートを拡張
ワークフロールールや承認プロセス等の評価式で、TEXT()を選択リスト型で使えるようになります。
ビジネスロジック
- ■ ワークフロールールにフローアクションが追加(Pilot)
- ■ Visual Workflow機能強化
SObject変数やCollection、Loopsといったロジックが追加されます。
セキュリティ
- ■ パスワードリセット時の質問に対する回答を非表示化可能に
- ■ ユーザのセッション情報を表示/管理する画面の追加
- ■ パスワードリセットメールのリンクの有効時間が24時間に
- ■ ファイルの種類について、組織での処理方法を設定
ファイル種類ごとに表示時にブラウザ側で実行するか、ダウンロードするか等を指定できます。
- ■ 共有セットを使ったポータル/コミュニティユーザのレコードアクセス制御
開発・リリース
- ■ 新しいSandbox種別「部分的データSandbox」を追加
データを部分的にコピーするSandboxで、5日に1回リフレッシュ可能なようです。
- ■ デプロイの監視ページを強化
デプロイをリアルタイムでモニタリングできるページ。
テストやメタデータのデプロイ状況がリアルタイムで分かるページのようです。
※下記リリースノートにあった画面イメージ
- ■ 変更セットにSite.comや権限セットを追加可能に
- ■ 開発者コンソール機能強化
APIバージョンの変更やテーマ(font sizeやcolor)を変更したり、テストカバレッジをクリアすることが出来るようになるようです。
カラーを変えれば、気分は映画に登場するスーパーハカーですね。
Visualforce
- ■ Visualforce Remote Objects(Pilot)
JavaScriptから直接sObjectsのDMLを可能にするオブジェクトで、これの利用により@RemoteAction等の必要性を減らすことができます。
- ■ apex:actionFunctionにnamespace属性が追加
- ■ analytics:reportChartのGA
レポートIDを指定することで、ページ上に標準レポートで生成するグラフを表示します。
- ■ PageReferenceのURLで"#"文字をサポート
- ■ JavaScript Remotingのデフォルト動作がSystem Mode(without sharing)に変更
Apex
- ■ AuthToken、EncodingUtil、Stringクラスのメソッド追加/変更
- ■ Chatter in Apexの強化
- ■ Analytics APIをApexから利用可能に
- ■ Batch StartメソッドのTimeout値が10分に増加
- ■ 新しい自動採番テストオプション
Apexテストで使用される採番を分離するとのこと。これによりテストによる採番のカウントがコミットされなくなるようです。
API
- ■ アプリケーションごとのAPI制限割り当て
アプリケーションごとにAPI制限のリミット値を割り当てることが出来るようです。
- ■ SOQLでより簡単に位置情報項目を使用可能に
WHERE句でDISTANCE関数を使って距離を条件にしたり、ORDER BY DISTANCE()で距離順に並べ替えることが出来そうです。
- ■ SOSLでOFFSETによりページング可能に
- ■ BULK APIで24時間以内のバッチ制限が3,000から5,000に増加
- ■ Streaming APIの各Limitが増加
- ■ Metadata APIにNew Metadata Callsが追加
ISVForce
- ■ 管理パッケージのコンポーネント削除
- ■ 使用状況メトリックス(Pilot)
パッケージインストール組織の詳細な情報を確認することが出来る。
まとめ
今回のバージョンアップでも様々な機能が追加されていますね。 個人的にはデプロイの監視や、お客様に説明の難しかった、テストによる自動採番項目のカウントアップ防止といったあたりが嬉しいところです。 今回のエントリーでは割愛しているバージョンアップ内容も数多くあるので、リリースが待ちきれないという方はぜひリリースノートをご確認ください!