Dreamforce恒例の目玉発表をとても楽しみにしている方は大勢いらっしゃると思います。本日(現地時間 2014/10/14(火)13:30-)行われたキーノートでも、大きな目玉発表が2つありました。
Dreamforce参加者ブログとして、発表されたばかりの2つのプロダクトをダイジェストでお届けしたいと思います。※なお、詳細な技術情報は不明であり、また私の所感が一部混じるので、内容に誤り等が含まれる場合があります。ご了承下さいませ。
Analytics Cloud(WAVE)
WAVEというキーワードで既にマークベニオフ氏がツイートされていたそうですが、その全貌が明らかになりました。従来のレポート、ダッシュボードとはそのアーキテクチャからして全く異なる、新たな分析のためのプラットフォームであり、アプリケーションのようです。(セールスフォース・ドットコム社自らがBIツールを開発&提供するようなものと考えることもできるでしょう。)
コンセプト
Intuitive ... ゲームにインスパイア
デモでは、グラフ種類の変更やグラフからのドリルダウン操作などが全てアニメーション付きで変化し、見た目のカッコ良さ&楽しさを感じるものでした。また、「全ての社員/全てのデバイスで使える」ことがアピールされ、デモによるスマートフォンでの操作感も良さそうでした。
Fast ... 速い
とにかく速さは求めたようです。従来のレポートのように大容量のデータソースの場合、最悪タイムアウトしてしまうようなことがありましたが、全く新たに設計されたWAVEでは、数百万~数億規模でもストレス無い検索を行うことが可能とのことです。素晴らしい!
Cloud ... クラウド
クラウドで提供され、新たにBIのためのデータマートなどを準備する必要はありません。データソースとしてSalesforce上のデータは当然ですが、SAPといった異なるデータソースも対象に分析ができるとのことです。
異なるデータソースを含むデータマートはどこにあるのでしょうか?ここ最近Externalデータソースも登場してきていますが、その辺りとの関連は分かりませんでした。外部データの参照といえば、ODataが昨年ホットな話題になりましたが、ODataでリアルタイムに大量データを扱うには無理があるでしょうから、そもそも違うのでしょうね。実装やその辺りのインテグレーションがどうなっているのかとても気になります!
ライセンス
ライセンスの話はありませんでした。これは気になるところです。現在のレポート&ダッシュボードの後継となるのか、全く新たなサービスとして提供されるのか、どうなのでしょう?参加メンバーによると従来のレポート&ダッシュボードも機能強化がかなりされていたという話もありましたが。。
Lightning
待望のSalesforceのUIを新たに構築するための新機能が登場しましたね!
Lightningの構成
Lightning User Interface
モバイルアプリを早く作る デバイスを意識しなくてもよい(Android、iOS、Windows、Wearable)
Lightning Component
Visualforceはサーバサイドテクノロジーであるのに対し、Lightningはコンポーネントベース VisualforceはS1で動かす時iframeを使うが、Lightningでは使わない
コンポーネント化によるメリット
→ 開発者はパラレルに開発を行うことができる(コンポーネント単位にパラレルに開発できる)
→ コンポーネントの組合せによるカスタマイズ性
→ コンポーネント自体の再利用性による生産性/コスト削減
Lightning F/W
Auraをベースとしたフレームワークであり、開発者によるコンポーネント開発が可能 標準でSalesforceからコンポーネントも提供されます AppExchangeで公開されるコンポーネントを使うこともできます
AppExchangeと言えば、現状は主に開発を行ったアプリケーションの共有の場がメインですが、今後はより粒度の小さいコンポーネントも共有され、それを販売、あるいは購入してアプリケーションを開発するといったエコシステム化も進むことでしょう。
Lightning Builder (AppBuilder)
初期のリリースでは、「新しいモバイルアプリをもっと早く」を主眼に、モバイル向け(Salesforce1 Mobile向け)に最適化されたユーザインターフェースを構築する手段として最も活躍するものになるのでしょう。デモでは、「phone / tablet」を切り替えることにより、画面表示サイズも変更され、デバイスの画面サイズに応じたコンポーネントを配置する様子も見ることができました。とても直感的で分りやすい操作性でした。
「モバイルアプリをもっと早く」を特にアピールしていたわけですが、デスクトップにも将来対応すると言っていましたので、何れ現在のページレイアウト機能はAppBuilderに代替され、より柔軟で且つマルチデバイス対応(レスポンシブ)のページレイアウトが作れるようになることでしょう。これも楽しみです!
コンポーネントの開発自体はBETA版として開発者は行うことができるようです。AppBuilderは現在パイロット中でセールスフォース・ドットコム社にリクエストし参加するようです。
おわりに
セールスフォース・ドットコム社は今年で設立15周年を迎え、2003年から続くDreamforceの初回開催時は1300名程度の参加者だったそうです。今年の参加登録者数は150,000人とのことですので、僅か10年程で100倍以上の規模になったわけですね。毎年のように革新的なサービスを発表し続けるセールスフォース・ドットコム社の勢いとパワーを感じずにはいられません。そして、その革新的なサービスに一人の開発者として携われることは嬉しい限りです。
新たな技術を扱うという意味においては、開発者として楽しみである一方で負担にもなります。特にLightningをベースとしたページ(コンポーネント)開発は従来のVisualforceで行っていた、POST-BackによるUI構築とは全く異なります。サーバサイドのApexが不要になるとは思いませんが、プレゼンテーション層は、これまで以上にJavaScriptやCSSの知識が求めら、そしてこれからの主流であるSPAやコンポーネントベースの開発手法をいち早くキャッチアップしておきたいものです。リリースされてから慌てることの無いよう、今から準備しておきたいですね。
テラスカイではDreamforce参加メンバーにより、毎日参加したセッションの情報をお伝えします。こちらも楽しみにご覧下さい!