Salesforce には非常に便利なレポートやダッシュボードという機能が備わっています。 しかし、レポートやダッシュボードで表示できるのは、現在 Salesforce 上に保存してあるデータ、つまり現在生きている最新のデータです。 「いついつ時点の状況」というものをレポートで表現することはできません。 そんな問題を解決するのがレポート作成スナップショットという機能です。
概要
ある時点におけるレポートの表示結果を退避しておく。 簡単に言えばそんな機能です。 以前は分析スナップショットという名前でしたが、レポート作成スナップショットという名前で生まれ変わりました。
前提
レポート作成スナップショットで退避できるのは、表形式かサマリー形式のレポートです。サマリー形式の場合は、集計行の値を退避しておくことができます。 退避先は、カスタムオブジェクトです。そのため、予め退避しておく項目を備えたカスタムオブジェクトを作成しておく必要があります。
退避のタイミング
日次、週次、月次で実行タイミングを指定することができます。 日次の場合は、「平日」、「毎日」を選択します。「平日」は土日以外の月~金で動作します。 組織情報に設定した休日も考慮してくれるだろうと思いきや、実際は考慮してくれません!月~金で動きます。「毎日」は、一週間7日で動きます。 週次の場合は曜日を選択します。複数曜日を指定することが可能です。 月次の場合は日付を選択します。毎月末の場合は「最終」を指定します。 実行するタイミングと合わせて、退避実行する期間を From To で指定します。 また、退避する時刻も指定できるのですが「希望開始時刻」となっていて、あくまで希望です。「希望は聞いとくよ!」という感じですかねw 退避の実行をメールで通知することもできます。設定した自分か、もしくは Salesforce の他ユーザを指定することができます。
想定する利用ケース
月ごとの売り上げ金額であれば、その月をサマリレポートで表示すれば確認することができます。 しかし、特定月における売上金額の変遷は標準レポートでは確認できません。その場合にスナップショットを使用します。 あとは、商談進捗の月ごとの経過を見る、月の受注件数の経過を見る、というときにもスナップショットでなければ確認することはできません。
制限
レポート作成スナップショットは、レポートの内容を退避しておくという機能なので、レポートの制限がそのまま機能の制限となります。 もっとも大きな制約は、レポートでは最大2,000行までしか表示することができない、というところです。そのため、レポート作成スナップショットでも退避できる最大レコード数は2,000行となります。 利用する際には、確実に2,000行以内になるようにレポートを定義する必要があります。 どうあっても2,000行以上のレコードを退避して分析したいという場合には、MotionBoard や SkyOnDemand などの外部サービスの利用を検討する必要があります。 MotionBoard は、Salesforce の標準レポートでは表現できない、昨年対比なども表現できる BI ツールです。その機能の1つとして、Salesforce のデータを退避しておき、それを使った分析を行うことができます。 ちなみに、Salesforce が用意している BI ツールで Wave がありますが、こちらは現時点でスナップショット機能を備えていません。 SkyOnDemand は弊社のサービスで、システム間をつなぐツールですが、Salesforce のデータを加工して Salesforce に戻すといういことにも利用することができます。
気をつけておくこと
スナップショットはスケジュールしたタイミングで自動的にレポートの内容を退避します。表形式でメッシュの細かいレコードを短間隔で退避すると、あっという間に大量のレコードがオブジェクトに出来上がっていたりします。 気づいたときには、ディスク容量不足が発生して「お~~!!ディスク容量が~~!!」ということになりかねません。そうならないために、スナップショットで退避するレコード件数、実行周期を元に、予めデータの蓄積予定、及びデータのライフサイクルを検討しておいた方が良いかと思います。 「そんなの気にならない!!」ってくらいのディスク容量を構えている場合は、放っておいても良いかとは思います!!
まとめ
お手軽に、日々の変遷を分析したい、という要件をかなえることができるレポート作成スナップショット。 目的を明確にし、制限を理解した上で使うと、非常に有効なツールです。 ただ、それ以上のことを望むようになったときは、別サービスの検討が必要となります。 そのときは是非、弊社にお声掛けを!!
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