はじめに
こんにちは。今回はテックブログ初登場の三上がお送り致します。
突然ですが、皆様、Salesforceと音声基盤(PBXやCTI)との連携はされていますか?
コンタクトセンターでSalesforceをCRMとして使用しているほとんどの現場では、CTIアダプタによりSalesforceと音声基盤を連携させ、着信ポップアップや通話ログ保存などを実現していると思われます。
CTI Toolkit
以前からSalesforce社はCTI Toolkitと呼ばれる開発環境(C++プロジェクト)を提供し、各ベンダはそれを使用しアダプタの開発・販売を行って来ました。(かく言う私も、2つほど開発した経験があります。)
が、2015年2月のSpring'15のリリースより、CTI Toolkitはサポートが終了となってしまいました。
この理由は、Salesforce社が後継であるOpen CTIに注力するためであるとアナウンスされています。
サポートが受けられないものの、CTI Toolkitベースのアダプタは使用可能な状況でしたが、過日、Salesforce社から以下のアナウンスがありました。
ご注意:Spring '17 での CTI Toolkit の廃止について
なんと、2017年2月のSpring'17リリースより、CTI Toolkitが機能停止するとのことです。
そうなってしまうと、アダプタは以下のような挙動になると容易に想像できます。
・着信ポップアップしない
→着信しても発信元電話番号を持つレコードが表示されない。
・クリック発信できない
→レコードの電話番号項目リンクをクリックしても発信できない。そもそもリンク化されないかも?
・通話ログが登録されない
→通話終了後、通話時間や発信元電話番号などのログが活動履歴に残らない。
などなど、他にも色々とあるかもしれませんが、そもそもブラウザにアダプタが表示すらされないかもしれません。。。
これでは業務が回らないどころか、致命的ですよね。
よって、CTI Toolkitベースのアダプタを、Spring'17リリースまでに後継であるOpen CTI対応のものに移行する必要があるのです。
私のアダプタは移行対象ですか?
アダプタを使用しているが、CTI Toolkitベースなのかわからないときは、画面右下のタスクトレイを確認してみてください。
CTI Toolkitベースのアダプタの特徴は端末にインストールされ、常駐することですので、タスクトレイに以下のような赤いアイコンが存在すれば移行が必要です。
アダプタ常駐の図
どう移行すべきですか?
CTI ToolkitからOpen CTI対応のアダプタに移行するにあたり、大きく分けて2つの方法があります。
方法1:ベンダーが開発・販売しているアダプタを導入する
CTI Toolkitベースのアダプタを開発していたほとんどベンダは、Open CTI対応の後継製品を持っており、それらを導入するのが1つめの方法です。
メリットとしては、導入のスピードが速いこと。
本当に速いです。音声基盤側の設定が終ったあと、Salesforceコールセンターの設定をすればすぐ使えます。
また、ほとんどのアダプタが月額モデルですので、イニシャルコストが低いことが挙げられます。
デメリットは、UIや機能をユーザの自由に変更できないことです。
製品であることがネックとなり、それを実現するためにはベンダに要望を上げ、バージョンアップを待たなければならないかもしれません。
方法2:アダプタを開発する
アダプタを1から作りましょうというのが2つめの方法です。
Salesforce方向の連携はOpen CTI、音声基盤方向の連携はそれぞれのCTIベンダが提供するAPI(Avaya ACMの場合はStationLink Connector、OKI CTstageであればCT-APIなど)で実現します。
こちらの方法は、自由にUIを構築し、機能を盛り込むできるため、コンタクトセンター業務で重要となる操作性を向上させることが可能となります。
加えて、APIが提供されれば、呼制御を行うCTIサーバーだけでなく、通話録音装置といった周辺機器とも連携することができます。
やろうと思えば、WebRTCを導入し、ビデオチャットをも実現することができるでしょう。
その一方、開発に伴うイニシャルコストが方法1と比較し高いことがデメリットとなります。
また、音声基盤向けのAPIの形態によってはブラウザが限定される場合があります。(ActiveXならIE限定など)
おわりに
方法1、2のどちらもデメリットは存在します。
十分に検討し、状況に合わせたベストな移行を実現しましょう。
弊社テラスカイには、Salesforceと音声基盤との連携経験が豊富な技術者が在籍しておりますので、お困りの際は是非ご相談ください。
いつでもご連絡をお待ちしております。
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