2015年10月21日-今日は、何の日かご存じですか?
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」で主人公のマーティーが、1985年からタイムスリップしてやってくる日です。 映画を見た人は、そこで登場した未来の技術が、本当に実現されるのか、期待に胸を躍らせたと思いますが、 実際に近々、自動でヒモが締まるナイキシューズやホバーボードが発売される予定があるらしいですね。
さて、その当時(1985年)、既に社会人だった皆様は、30年後、ポケットに入れて持ち運びできる電話機器を使って、 業務日報を書いたり、基幹システムのデータを参照したり、遠隔地にいる複数の人とテキストコミュニケーションしたりして 仕事をしていることを想像できたでしょうか?
今日は、そんな夢のようなことを実現できるSalesforce1で動くモバイルアプリをVisualforceで開発する場合の ポイントを紹介したいと思います。
そもそも何から始めるの
- Salesforce1でメニュー化したいVisualforceをタブ化します。
- タブ化したVisualforceの「Salesforce モバイルアプリケーションでの使用が可能」をチェックします。
- [設定] の[Salesforce1 の設定] | [ナビゲーションメニュー] にアクセスすると、 [選択可能] リストで項目に2で設定したVisualforceが表示されますので、追加して、配置してください。
メニューの並び順のコントロールが特殊なので、以下を参考にして設定してください。 http://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/winter14/release-notes/customizingnavigationpane.htm
ポイントとしては、
・[スマート検索項目]というのは、最近検索したオブジェクトの一覧が表示されます。 メニューの [最近] というセクションに表示されるものがこれにあたります。
・[最近]の並び順の設定方法が、分かりにくいですが、Salesforce のフルサイトで実行された[検索結果] 画面で ユーザがオブジェクトを固定(ピン留め)すると、[最近] セクションの上部に固定されます。
・メニューの[スマート検索項目] の要素の下に配置したものはすべて、ナビゲーションメニューの [アプリケーション] セクションに表示されます。
HTML5対応
HTML5 を使えば、デバイスにソフトウェアをインストールせずに、 タッチイベントをサポートするモバイルインターフェースを提供できます。
Visualforceページのデフォルトの標準フレームがHTML4となっていますので、 HTML5での実装を行う場合、DOCTYPEの宣言を指定する必要があります。
これだけです。。。。
<apex:page docType="html-5.0"
HTML5 開発を簡単にするコンポーネントがいくつか用意されているのですが、 <apex:input は、HTML5 に適した新しい入力コンポーネントです。
これを使えば、日付ピッカーや選択リスト、数値範囲など、利用デバイスに合わせて、 以下の様な入力ウィジェットを自動で提供してくれます。
非常に便利な <apex:input ですが、利用する上で何点か注意するところがあります。
・複数選択リストに対応できるモバイル向けのコンポーネントがありません。 コントローラ側で選択リスト値を組み立てて、<apex:selectbox の 属性であるmultiselectをtrueにしたものをつくれば、できますが、レコードタイプごとに選択肢を制御してるとその制御は、効かなくなるので注意。
<apex:inputfieldも一応動きますがスマホサイズだと画面からはみ出すし、なにを選択してるかわからない動きのものになってるので、代替案を検討するべきです。複数選択リストを<apex:inputfield(レコードタイプが効いた選択リスト)で隠しコンポーネントで画面上に描画し、OptionをjQueryで読み取って、<apex:actionFunction を使ってコントローラ側に渡して、無理やり選択リストを作る方法もとれなくもないですが、作りはできるだけシンプルにしておいたほうがよいでしょう。
・window.open() で実装するようなものがあった場合、モバイルではうまく動作しない場合があるのと、使い勝手が悪いので、jQueryのライブラリなどを使って画面サイズに合わせたモーダルウィンドウかインラインアコーディオンで実装したほうがよいでしょう。
・<apex:commandButtonでimmediate="true"をつけると必須チェックをスルーできますが、 docType="html-5.0"を宣言したページでは、そのような動作になりません。 <apex:commandButtonタグに、formnovalidate="formnovalidate"を宣言することで回避できます。
・<apex:input type="date" ですが、モバイルで見るとドラムロール式の入力タイプに、 デスクトップブラウザで見るとDatePickerで表示され、非常に便利ですが、IE と Firefoxで動作しません。。。 <apex:inputFieldで代用するか、jQueryのライブラリを使って同等の機能を実装する必要があります。 https://help.salesforce.com/apex/HTViewSolution?id=000206142&language=en_US
動作環境に潜む罠
どのOS、どのバージョンを対象とするかは、開発工数やテスト工数に大きなインパクトがありますので、 開発前に必ず合意しておき、限定できるものであれば、できるだけ範囲を絞ることをお薦めします。
流行りのレスポンシブ対応も同様です。確かにCSSフレームワークの「Bootstrap」など使えば、比較的容易に実装できるのは確かですが、なんでもかんでもOKにするときりがありませんので、注意する必要があります。ただし、<apex:pageBlock、<apex:pageBlockTable、<apex:pageBlockSection、<apex:pageBlockSectionItem、<apex:pageBlockButtonsなどの標準タグは、デスクトップ向けに最適化されているものですので、標準のHTMLマークアップやBootstrapなどのCSSを使って、開発することが推奨されております。
テストは、エミュレータなど使って開発すると効率的ですが、実機でないとどうしても発生しない現象が あるので、必ず準備しておきましょう。
最近だと、iOSの実機でしか発生しないものとして以下の現象にハマったので、記載しておきます。
・選択リスト、複数選択リストをタップすると画面上部にスクロールされたり、画面が真っ白になってしまう。 ※JavaScriptでの回避方法があります。
https://success.salesforce.com/issuesview?id=a1p30000000T2oLAAS https://success.salesforce.com/issuesview?id=a1p300000008Y6nAAE
・入力フォームを長押しすると文字が入力できなくなる状態になる ※JavaScriptでの回避方法があります。 https://success.salesforce.com/issues_view?id=a1p300000008Y6nAAE
さいごに
HTML5 では、カメラや GPS など高度なモバイル機能もサポートされます。IOTが盛り上がる今、アイデア次第でモバイルアプリケーションの可能性は無限と言えます。開発する上でいろんな課題に悩まされるかもしれませんが、頑張りましょう!「If you put your mind to it, you can accomplish anything.(何事もなせば成る。)」"ドク"ことエメット・ブラウン博士の口癖でしめたいと思います。