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大和証券、プロアクティブな運用保守サポート(CSA)により進化し続ける戦略的CRMシステムを実現―業務部門・システム部門・ベンダーでスクラム開発を推進

  • 金融(銀行・保険・証券)
  • 500-5,000名
  • CSA(プロアクティブな運用保守)

概要

大和証券で上場法人への営業や有価証券の引受業務、M&Aアドバイザリー業務を行う部門では、2019年にSalesforce Sales Cloudを用いた新CRMシステムの稼働を開始した。このCRMシステムを、2021年から運用保守に入ったテラスカイと一丸となり、戦略的営業のための真のCRMシステムへと進化させた。これが実現できたのは大和証券の事業部署と企画部署、そしてテラスカイのメンバーがワン・チームとなりアジャイル・スクラムの手法を用いて、2週間のスプリントで新機能開発や既存機能の改善を繰り返してきた成果だという。テラスカイが提唱する、顧客と伴走して成功に導く運用保守「CSA(Customer Success Accelerator)」とは?戦略的システム改善をスキーム化し軌道に乗せた担当者に聞く。

システムを運用しながら新規開発を続ける体制をどう作るかが課題に

大和証券株式会社 法人企画部 ビジネスソリューション戦略課長 兼 デジタル推進部 副部長 和田 崇 氏

大和証券株式会社 法人企画部
ビジネスソリューション戦略課長 兼
デジタル推進部 副部長
和田 崇 氏

大和証券は複数の部門でSalesforceを活用している。法人顧客の資金調達やM&Aを支援するGIB部門、法人顧客ごとに寄り添った支援を行なう法人部門でもSales Cloudを活用して営業活動や顧客対応の高度化を図っているという。両部門の企画立案を法人企画部が、中でもシステム関連についてはビジネスソリューション戦略課が担っている。同課 課長 兼 デジタル推進部副部長の和田 崇 氏は、Salesforceを活用する狙いについて次のように語る。

「お客様により近い立場にある営業部門内の立場で、システムを開発しています。もともとGIB部門や法人部門では、数十年稼働していた自社製のオンプレミスシステムをそれぞれ個別に利用していましたが、クラウドを中心とした新しいCRMシステムと比べると、老朽化や機能不足が目立っていました。そこで2019年にそれぞれのシステムを統合してSales Cloudで新しいシステムを構築しました。それ以来、Salesforceを活用してお客様の情報を共有・管理し、お客様の資産価値を最大化することを目指しています」(和田氏)
Sales Cloudの導入より顧客情報管理や文書管理、情報共有が大きく進んだ。ユーザー部門にも好評で、システムの利用率も大きく上昇した一方で、新たな課題に直面したという。Sales Cloudを担当するビジネスソリューション戦略課次長の久都内 繁明 氏は、次のように振り返る。

大和証券株式会社 法人企画部 ビジネスソリューション戦略課 次長 久都内 繁明 氏

大和証券株式会社 法人企画部
ビジネスソリューション戦略課 次長
久都内 繁明 氏

「システム構築時にすべての機能を実装できるわけではありません。環境が変化していくのにあわせて、新しい機能を追加したり改善したりする必要が出てきます。実際にユーザーからは項目の追加やUIの改善を求める声が毎日のように届く状況でした。要望のたびに機能開発をベンダーに依頼していると、1つの機能を利用できるようになるまで数ヵ月はかかります。また、要望に優先順位をつけたり、適切な対応方法を検討したりするのにも知識やスキルが必要です。システムを運用しながら新規開発も続けられる体制をどう作るかが、大きな課題になっていました」(久都内氏)

せっかく導入した新システムを「保つ」だけで終わらせたくない。このままの運用体制を続ければ、現場からの期待と現行システムの乖離が広がってしまう。従来はシステムを構築したベンダーに保守運用を依頼していたが、焦りを感じた大和証券は保守運用体制を改めることにした。検討した結果、テラスカイの提唱する「CSA」と呼ばれる攻めの運用・保守サービスを採用することとなった。

改善提案から要望に対する否定まで。テラスカイのプロアクティブな運用保守サービス──重要なのは「背景にある悩みから最適な選択肢を選ぶ」こと

テラスカイが提唱する「CSA(Customer Success Accelerator)」とは、システム構築後の運用を担う際に、安定稼働や障害対応を重視するだけでなく、新機能の追加開発や改善提案なども同時に行なうことができるサービスだ。テラスカイのメンバーと大和証券のメンバーで1つのチームを組成し、アジャイル・スクラムの手法を用いて、2週間のスプリントで新機能開発や既存機能の改善を繰り返していく。テラスカイが開発だけでなく運用保守を含めて改善提案を行ない、プロアクティブにサポートしていく点が大きな特徴である。

新システムの運用保守については、自社運用や保守パートナーへの外注などの選択肢もあったが、テラスカイを採用した最も大きな理由は、この継続的な改善提案にあったという。

「クラウドサービスは日々進化するので、システムに対する知識やノウハウをアップデートしていくことが重要です。ただ自分たちだけでそうした取り組みをすることは簡単ではありません。当社には、ITシステムを全社的に管理しているシステム部門もありますが、新しいCRMシステムは業務部門が主導して戦略的に活用するシステムに位置づけられています。システム部門に頼りきるばかりではなく、業務部門に近い立場で自分たちで柔軟に更新していくことが重要でした。そんななかテラスカイは、われわれと一緒にシステムの企画から開発、運用までをサポートしてくれる貴重なパートナーになってくれたのです」(和田氏)

テラスカイの伴走支援は、2021年4月からスタートした。取り組み内容は、ユーザーからの要望の整理や不具合の調査、対応の優先順位付け、実際の開発、運用保守など多岐にわたる。

「デイリースクラムで課題を共有し、スプリントのゴールを設定して、改善に取り組むという体制を4年以上継続してきました。アジャイル・スクラム開発は初めてであり社内でも先進的な取り組みでしたが、社内の経験者やテラスカイの支援を受け、着実に取り組みを進めることができました。今では、週1〜2件のペースで、システム改善についてチーム全体で検討を進めている状況です」(久都内氏)

テラスカイによる改善提案活動は、CRM改善のために欠かせないものになっている。久都内氏は、その魅力を説明する。

「何か実現したいことがあったとき『この機能をつくってください』ではなく『ここで悩んでいます』と伝えることを重視しています。そうするとテラスカイは『機能的に必要なのはAですが、本当の悩みを解決したいならBです』と教えてくれます。また、テラスカイからは『その機能は本当に必要なのですか? その背景を教えてください』とよく聞かれます。最初のころは、我々も慣れておらず『ユーザーがこう言っているからこう作ってほしい』と言いがちでした。しかし、背景を伝えることで、最適な提案や選択肢を提示してもらえるようになりました」(久都内氏)

日々のスクラムとは別に、2週間に1回2時間程度、定期的に相談する会も開催されている。この相談会には、テラスカイや大和証券の開発に関連するメンバーはもちろん、改善要望を出したユーザーも参加し、背景について聞くこともあるという。Salesforceのシステム開発に強みを持ち、金融業界、証券業界における経験も豊富なテラスカイは良き相談相手であると、久都内氏はテラスカイを評価する。

和田氏も、このような取り組みによって、ユーザーにとって使いやすいシステムの提供につながっていると語る。

「私自身は営業経験が長く、システムについても『そもそもシステムは使いにくいもの』という印象を持ってしまっている面もありました。しかし、縦割り型の開発スタイルではなく、スクラム開発チームの一員となり、開発に携わってみるとその考えは変わり、『これなら営業にとっても使いやすいシステムになる』と思いながら、システム開発をとても前向きに捉えていました。アジャイルやスクラムという言葉は知っていましたが、実際に自分で取り組んでみるのは新鮮で、効果のあるものだと実感しましたね」(和田氏)

これまで開発・改善してきた機能のなかで主要なものとしては、顧客情報の一括表示がある。従来は、営業担当者が顧客企業の決算情報や株価情報などを個別に調べてCRMの他にも複数の画面を表示し確認する必要があったが、現在はCRMの画面内にさまざまな顧客情報を一括で表示できるようになっている。

一部業務において、社内稟議や契約書管理をSales Cloudのなかで完結できるようにした。従来は、稟議書は契約書を別のシステムを使って管理しなければならなかったが、Sales Cloud内に管理機能を統合したことで、別のシステムを立ち上げて操作する必要がなくなった。

さらに、ボタンの配置やUIの改善など、ユーザーの利便性向上に向けて、日々対応している。

プロアクティブな運用保守サービスにより、機能開発が進み情報共有を促進

一体化した開発体制によって、さまざまな効果を生んでいる。特に、スピーディーで柔軟な機能開発ができるようになったことが大きなプラスであると、久都内氏は語る。

「月に1〜2件程度のスピードで、新機能の追加やUIの改善などをリリースしています。例えば、『CRMに表示されていない項目の数値を表計算ソフトで集計する必要がある』『ボタンの表示が分かりづらく操作しにくい』といったユーザーの悩みや声を聞いて、新機能の要件やUIの改善策をチームで考え、優先順位を付けることで素早く対応しています。ユーザーのニーズに応えCRMを使いやすくすることで、業務の生産性が高まりました。また、『要望を伝えても実現されない』というケースが減ったため、ユーザーも気兼ねなく要望を言えるようになり、ユーザー部署との距離が近くなりました」(久都内氏)

また、従来は役員への報告のため、Excel、Word等で資料を作成していた。現在は顧客との取引に関する数値やデータがSalesforce上に蓄積されるようになり、必要な情報が画面上で見られるようになったため、資料を作成する手間も削減されている。

さらに、社員間でのコミュニケーションや情報共有が活性化しているという。

「CRMシステムの機能を活用したコミュニケーションや情報共有も進んでいます。例えば、CRMシステム内に、自分が作成した提案書を添付できる機能を作りました。アクセス権限やセキュリティを厳格に設定したうえで、提案書を限られた担当者間で安全に共有することができます。実際の提案書を見ることで過去にお客様にどんな提案をしたのか、ほかの担当者がどんな提案をして成功したのかなどをナレッジとして活用できます。社員間のコミュニケーションが増え、情報の共有がしやすくなりました」(和田氏)

今後は、更なるユーザーの利用促進、AIや生成AIなどの活用も視野にいれながら、CRMシステムの高度化を図っていく構えだ。これからも、テラスカイのサポートが大和証券の取り組みを支えていく。
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会社プロフィール

大和証券株式会社様

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URL:
https://www.daiwa.jp/
所在地:
東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 グラントウキョウ ノースタワー
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有価証券等の売買、有価証券等の売買の媒介、取次又は代理、有価証券の引受等の金融商品取引業及びそれに付帯する事業
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