トヨタ自動車株式会社様
トヨタが販売会社の 営業活動支援システムを刷新! 顧客アプローチの迅速化を実現した データ連携基盤に迫る
- mitoco X / DataSpider Cloud
- Amazon Web Services
- 製造
- 5,000名以上
- データ連携
導入背景
画一化した販売支援システムの限界
「DataSpider Cloud」に白羽の矢が立った理由
次期営業活動支援システム基盤の構築にあたり、トヨタがテクニカルパートナーとして選んだのがテラスカイである。その理由について小澤氏は、「テラスカイはSalesforceに精通し、クラウドのデータ連携実績が多く、構築のノウハウも豊富です。AWSについては、グループ会社のBeeXが、その専門性スキルを発揮してくれました。インテグレータさんにはこちらがお願いしたシステムだけを構築するのではなく、実装のアドバイスや運用のコンサルティングまでをお願いしたかった。現在、次期営業活動支援システムの運用と展開が進んでいますが、その選択は正しかったと実感しています」と語る。
テラスカイはトヨタの基幹システムと各販売会社の次期営業活動支援システムをつなぐデータ連携基盤に、テラスカイが開発/運用を手掛けるクラウド型データ連携サービスの「DataSpiderCloud(データスパイダー・クラウド)」を提案した。クラウド上で基幹システムにあるデータと、Salesforce側の次期営業活動支援システムのデータをニアリアル(即時)で連携させる戦略である。そのデータ連携基盤の仕組みはこうだ。
まず、中間データベースや外部参照データベースといった各種データベースを、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)上に構築する。そして、トヨタの基幹システムとSalesforce次期営業活動支援システム、さらにAWSに格納した各種データベースを、DataSpiderCloudで連携する。つまり、基幹システムの中にある連携データをすべてAWS上にアップロードし、そのデータ(ファイル)に対してデータ連携処理を実施する仕組みである。
連携基盤の"横"にAWSのデータベースを配置すれば、AWSが提供する各種サービスも利用できる。さらに、基幹システムのデータに対して直接アクセスする必要がなくなるので、セキュリティ上の懸念も払拭できるというわけだ。なお、データ差分の確認頻度は15秒おきだという。
この仕組みは販売会社ごとに――つまり280基盤――構築した。その際にも工夫を施している。次期営業活動支援システムとAWS/AWSと基幹システムを連携させるDataSpiderCloudの設定は、可能なかぎり自動化した。具体的には、あらかじめ設定が自動生成される仕組み構築し、各販社への展開を簡素化したのである。
度会氏は販売会社ごとに基盤を構築した理由について、「販売会社の規模によって保有するデータ量もトランザクションも異なります。ですから管理機能は共通でも、システム(基盤)ごとにDataSpiderCloudと連携する仕組みが必要でした。さらに短期間で280の販売会社に展開できるよう、テラスカイさんに工夫をしてもらったのです」と説明する。
クラウド上での運用で気になるのが各種の管理だ。各販売会社は休日がそれぞれ異なるため、次期営業活動支援システムは24時間365日の稼働が必須となる。また、ユーザーのログイン管理やセッション管理なども、すべての販売会社に対して実施しなければならない。管理運用に関する部分は、テラスカイグループのクラウドMSP専門会社である「スカイ365」が担っているとのことだ。
最新の数字で意思決定、データドリブンな営業アプローチが可能に
トヨタでは、2018年7月から7店の販売会社で次期営業活動支援システムのトライアル運用をスタートした。2019年6月末現在では約20社の販売会社が運用中で、2020年4月までには280すべての販売会社に展開する計画である。現時点で利用している販売会社からの評判は上々だという。
「(基幹システムのデータと次期営業活動支援システム間で)データ連携がほぼニアリアルでやり取りできる環境の実現で、営業のアプローチが迅速になる事はもちろん、(販売会社が)最新の数字で意思決定できるようになると報告をいただきました。また、販売会社ごとに"フロントの部分"を変更できる点も好評です」(度会氏)
以前は、基幹システムのデータとSalesforceのデータとの連携には一晩かかっていたことも多かったという。大規模な販売会社がデータを更新している間は、他の販売会社のトラフィックが低下するなどの課題もあった。小澤氏は「以前のシステムではデータ連携に時間がかかるうえ、基幹システムのデータの整合性が崩れることもありました。しかし、現在のデータ連携基盤であれば、そのような心配はありません」と説明する。
「いくら最新システムを導入したとしてもITインフラが足かせになって、販売会社のビジネスを停滞させるようなことがあってはならない。(販売会社の)営業スタッフが、武器となるシステムを特別な意識をしないで営業活動に専念できること。ビジネスとして付加価値の高い部分に注力できる環境を構築すること。これがコーポレートIT部のミッションだと考えています」(度会氏)
【本事例の導入製品・サービス】
ノンプログラミングでデータ連携ができる、クラウド型のデータインテグレーションサービスです。
AWSに関して導入・構築・移行・運用などのサービスを提供しています。