株式会社LegalOn Technologies様イメージ

株式会社LegalOn Technologies様

FlosumによりSalesforceのリリース管理プロセスを一本化 作業時間を約50%削減し、業務部門の要望に柔軟かつスピーディーに応えることが可能に

  • Flosum
  • IT・コンサルティング
  • 500-5,000名
  • 業務効率化

概要

LegalOn Technologies(以下LegalOn)は、2017年に創業した法務関連のクラウドサービスを開発、提供する企業だ。2024年にはAI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」の提供を開始し、2024年5月末時点でグローバルでのサービス導入社数5,500社を突破している。同社では、営業活動の管理システムとして導入している「Salesforce Sales Cloud」のリリース管理ツールとして、テラスカイが国内で提供する「Flosum」を採用した。

ビジネス部門の要求に応えるためアジャイルでのSalesforce内製を実践

LegalOnの成長をテクノロジーの側面から支えているのが、全社員の約半数におよぶエンジニアだ。同社のエンジニアチームは、各サービスプロダクトとコーポレートITを分けた形で編成されており、Salesforceの開発と保守は、コーポレートITの専任チームによって行われている。Salesforce専任チームが本格的に組織化されたのは、2022年以降のことだという。
「Salesforceは以前から利用していましたが、最初から管理体制が整っていたわけではなく、IT部門以外の社員も自分たちで設定を変えられるようになっていました。しかし、IT統制の強化や、営業に携わる社員が本来の業務により多くのリソースを割けるような状況を作っていくという方針から、Salesforceの開発運用は専任チームが担当する体制に移行してきました」

IT&セキュリティグループ シニアマネージャー 下田 涼太 氏

IT&セキュリティグループ
シニアマネージャー
下田 涼太 氏

そう話すのは、同社でIT&セキュリティグループのシニアマネージャーを務める下田涼太氏だ。急速に拡大と変化を続ける事業環境に対応するため、顧客向けのサービスだけでなく、Salesforceによる社内向けの営業管理システムについても、アジャイルなプロセスを採用した内製開発を行っている。

「現状、Salesforceの開発は、課題を短期と長期のものに分けて対応を行っています。短期的な課題に分類しているものは、標準機能をベースにした新規開発や既存機能の改善への対応です。基本的に1週間単位のスプリントを通じて継続的にリリースしています。一方で、長期的な課題は、古い環境で作られたプロセスのリファクタリングです。一部パートナーの手も借りながら、月単位のタイムスパンで対応しています。とにかく変化のスピードが速く、開発や改善の要求が絶えないため、主要部分はアジャイルによる内製での対応が欠かせません」(下田氏)

ガバナンス確保と品質向上を目指しリリースプロセスの標準化を検討

専任チームのメンバーは、全員がApexによるコーディングや改修といった高度な作業から、UIやページレイアウトの変更といった軽微な作業にまで対応できるSalesforce開発のエキスパートである。このチームでは、現在はFlosumを活用したコードレビューを行っている。しかし以前は、ソース管理システムを利用しており、やむを得ず標準的なプロセスから外れた開発が行われるケースもあったという。

同社でIT&セキュリティグループのマネージャーを務める片岡翔梧氏は、次のように語る。

「Salesforce開発者の中には、これまでソース管理システムを使った経験がないメンバーもいます。しかし、1週間単位のスプリントを回していくうえでは、そうしたメンバーにもフルで手を動かしてもらう必要がありました。そのため、人によってはソース管理システムを介さずに、変更セットで直接リリースを行ってもらい、後で別のメンバーがコードを落としてきて、差分としてソース管理システムに上げ直すといった作業も行っていました」(片岡氏)

IT&セキュリティグループ マネージャー 片岡 翔梧 氏

IT&セキュリティグループ
マネージャー
片岡 翔梧 氏

このような状況を改善するため、Salesforceの開発およびリリースプロセスの標準化を目的としたツール導入の検討を開始した。

比較検討にあたっては「ソース管理システムの利用経験がないユーザーも利用しやすいツールであること」「コードレビューやテストをはじめとする、LegalOn独自の開発およびリリースプロセスに対応できる拡張性があること」「一度確定したコードの巻き戻しや部分的な差し込み修正などが頻繁に発生する週単位のスプリントに柔軟に対応できること」といった要件を重視して選定を行ったという。
検討の結果、これらの希望要件を高いレベルで満たす「Flosum」の導入を決める。

「Flosumについては、パッケージでありながら、自社のSalesforce組織内にインストールするのではなく、Flosum専用の独立した組織として提供され、自社組織を認証ベースで連携して使えるというのも好印象でした。これによって、リリースプロセスの自由度や柔軟性が高まっていると感じます」(片岡氏)

Flosumによるリリースプロセスの一本化で作業効率と品質の向上を実現

Flosumの導入により、Salesforce専任チームによるリリースプロセスは、完全に一本化された。

「これまでのリリース作業は、人によってソース管理システムを通す場合と通さない場合が混在していました。現在では、本番向けにリリースするものは、必ずFlosumを通し、リリースアセット一式をレビューしたうえで本番組織にリリースされるようになっています。Flosumによって、Salesforce組織の健全性確保やプロセスの統制を継続的に行える環境が整ったと感じています」(片岡氏)
Flosumによるリリースプロセスの一本化により、リリース直前で差し込まれる課題への対応や、不具合発生時のロールバック作業などが、以前よりも効率的かつ安全に実施できるようになったという。
「リリース直前の変更依頼は、以前にも可能な限り対応していましたが、難しい場合は次回以降のスプリントに回すケースもありました。また、時間が差し迫った中での煩雑な変更作業は、人為的なミスが起こるリスクが高いものでした。しかしFlosumを利用するようになったことで、煩雑な変更作業が自動化され、効率が上がると同時にミスが発生するリスクも削減できています」(片岡氏)
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Flosumにより、作業効率は向上している。例えば、リリース後に問題が起こった際のロールバック作業については、従来の場合、ロールバック用マニフェストファイルと手作業を併用していた。Flosum導入後は、リリース時に自動作成されるロールバック用データを利用することで、半分程度の時間で復旧が可能になったという。

また、「リリース作業」も、以前に比べて大幅に効率化され、単純作業に費やす時間が50%以上削減されたという。
「従来の作業手順では、週単位のリリースに1~2時間、さらに各組織向けのデプロイをそれぞれ15分から30分をかけて行っていました。大まかな作業の流れとしては、リリース用のマニフェストファイルの作成、マニフェストファイルのレビュー、リモートからローカルのメインブランチへのプル、本番環境へのデプロイテスト、デプロイの実行とタグ付け、ロールバック用のメタデータ取得といったものでした。現在ではこれらをFlosumからクリックひとつで実行でき、作業時間が以前の半分以下に減っています。1つのブランチから多数の組織に自動でデプロイできるようになったことと、リリースごとにマニフェストファイルを作成する必要がなくなったことが、時間の削減に大きく貢献しています」(片岡氏)
同社では、その他のFlosum機能も積極的に活用している。そのひとつが「Overwrite Protection」だ。

「Overwrite Protectionを使うと、選択した組織内のソースコードとFlosumのブランチに入っているソースコードの比較ができ、さらに比較している画面上でコードの追加や削除といった編集を行ったうえで、ブランチ内に保存することができます。Salesforceで加えた変更が、正常に作動するか、他の部分に影響を及ぼさないかをリリース前の差分チェックが必要となるのですが、その差分チェックを行うのに役立っています」(片岡氏)
Flosum導入による作業効率向上は、本質的な開発作業の時間捻出につながっており、工数不足で次回以降のスプリントに回さざるを得ない案件数も減らせているという。

「特に案件が多い時期には、すぐに対応してほしい事業部と、対応するSalesforce専任チームとの間で意見の不一致が発生していましたが、Flosum導入後は、急な変更要求にも以前より柔軟に対応できる体制が整いつつあります。チームとしての状況も改善しているように感じます」(下田氏)

今後もリリース管理の効率化・品質確保に向けFlosumを活用

同社では、今後もSalesforceによる社内システムの開発・改善にあたり、Flosumを活用した効率の向上、Salesforce専任チームの健全性およびガバナンスの確保を図る意向だという。

「現状は標準機能の範囲で内製することが多いのですが、将来にわたってSalesforceを使い続け、活用度を上げていくことを考えた場合、自社でコードベースの品質を高めていくことは不可欠です。そのためには、社内標準に基づいたコードレビューが重要だと考えていますが、Salesforceエンジニアにとって社内標準に基づいたレビューも簡単に遂行することは難しいことが実状です。Flosumは、スキルセットの異なるエンジニアチームが、ソースコード管理やリリース管理、デプロイやロールバックといった定型的な作業を効率化しつつ、成果物の品質向上を支援するツールとして活用できます。今後もFlosumの活用によって、品質の向上と効率化を実現し、営業支援に取り組んでいきたいと思います。」(下田氏)
株式会社LegalOn Technologies

【本事例の導入製品・サービス】

Flosum
Salesforceのリリース管理やCI(継続的インテグレーション)の運用を効率化するアプリケーションです。

会社プロフィール

株式会社LegalOn Technologies様

株式会社LegalOn Technologies様

URL:
https://legalontech.jp/
所在地:
東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージSHIBUYAタワー19F
事業概要:
AI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」をはじめ、法務知見と生成AIなどの最新のテクノロジーを組み合わせた企業法務の質の向上と効率化を実現するソフトウェアを開発・提供。
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