LINE株式会社様
LINEのグローバル戦略、国内5サービスに続き台湾でのカスタマーサポートに 「OMLINE-I」を採用
- Service Cloud
- OMLINE
- IT・コンサルティング
- 500-5,000名
- 顧客管理
- コンタクトセンター
導入背景
コミュニケーションアプリとして、日本国内で月間アクティブユーザー数約8,300万人(2019年12月時点)と圧倒的な影響力を誇り、アジアを中心とした海外への進出も積極的に進める「LINE」。同社では、国内で提供している5つの関連サービスのカスタマーサポートシステムとして、テラスカイの開発する「OMLINE-I(オムリン アイ)」を採用している。
さらにLINEでは、アジア圏の各拠点で展開するサービスのサポートシステムとしても、順次OMLINE-Iを導入していく計画で、その最初の拠点として、台湾で提供する「LINE」のサポートシステムに導入し、2019年6月より稼働を開始した。グローバル拠点でのサポートサービスでOMLINE-Iを採用するねらいと、今後の展開について、LINE企画センターLINE企画室Customer Careチームの武井 淳 氏に聞いた。
さらにLINEでは、アジア圏の各拠点で展開するサービスのサポートシステムとしても、順次OMLINE-Iを導入していく計画で、その最初の拠点として、台湾で提供する「LINE」のサポートシステムに導入し、2019年6月より稼働を開始した。グローバル拠点でのサポートサービスでOMLINE-Iを採用するねらいと、今後の展開について、LINE企画センターLINE企画室Customer Careチームの武井 淳 氏に聞いた。
「主要4カ国」に注力するLINEのグローバル戦略
同社がグローバル戦略において、現在最も注力しているのが、日本に加え、台湾、タイ、インドネシアといったアジア圏の国々だ。同社ではこの4つの国を「主要4カ国」と位置付け、サービスの拡充、カスタマーサポートの充実によるビジネス拡大を図っている。
「グローバルでプレゼンスを高めていくにあたっての当社の戦略は『スマートポータル』の提供です。リアルタイムメッセージングツールである『LINE』を中核として、オンラインとオフラインの双方において、人と情報、企業、ブランドを、互いのニーズに基づいて結びつけていくことをサポートするというのが基本的な展開となります」(武井氏)
同社では、メッセンジャーツールに付随する広告やコンテンツ、マーケティングのビジネスをコア事業とし、近年では「LINE」プラットフォームとの将来的なシナジーを視野に入れた、FinTech 系サービス、コマース系サービス、AI ビジネスなども幅広く展開している。
多様なサービスを快適に利用してもらい、ユーザー満足度やLINEのブランド価値を高めていくにあたって「カスタマーサポート」の果たす役割は極めて重要だ。LINEでは現在、主要アプリケーションである「LINE」をはじめとする5つの関連サービスのカスタマーサポートに、オペレーターがリアルタイムで対応を行う「有人対応チャット」を導入し、ユーザーからの問い合わせに対応している。この有人対応チャットによるサポートで活用されているのが、テラスカイの提供するOMLINE-Iだ。
LINEとテラスカイが共同で開発したOMLINE-I
OMLINE-I は、セールスフォース・ドットコムが提供するカスタマーサポートシステム「Service Cloud」と、LINE が提供する法人向けサービス「LINE公式アカウント」とを連携し、電話やメール、Webなどからの問い合わせとチャット履歴とを一元的に管理できるようにするサービスだ。「LINE」と共通化されたUI やスタンプ機能、対応終了後のアンケート自動送信をはじめ、チャットサポートに求められる多様な機能を備えており、カスタマーサポートのオムニチャネル化を進めようとする企業にとって特に有用なサービスとなっている。
LINE が国内5サービスで導入しているOMLINE-I は、もともと、LINEの関連サービスであるモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」向けに、LINEとテラスカイが共同で開発に取り組んだシステムがベースとなっている。同様のニーズを持った企業が、その仕組みを手軽に利用できるようにパッケージ化されたものがOMLINE-Iであり、LINEはOMLINE-Iの最初のユーザーというわけだ。
OMLINE-Iは2018 年5月に「LINE Pay」で導入されて以降、中核となるメッセンジャーサービスの「LINE」、「LINEチケット」など、合わせて5つのサービスのカスタマーサポートシステムに使われている。1年ほどの短期間で、次々と導入を広げていったことになる。
「ユーザーサポートの基本的な方針は、不安や疑問を持ったユーザーが、問題を自己解決できるようにする情報をスピーディーに提供することです。その第一段階として、ヘルプコンテンツやチャットボットによる回答を充実させるように心がけていますが、『LINE』については、問い合わせ内容も多岐にわたるため、どうしても解決できない内容が出てきてしまいます。そこに、メールよりも手軽でリアルタイム性の高い有人対応チャットを加えることで、サポート満足度の向上を図っています。最初に導入した『LINE Pay』と『LINE』を除いた3つについては、リアルタイム性の高い、人による手厚いサポートが必要という、ビジネス側からのニーズが大きかったことが、短期間で導入が進んだ理由です」(武井氏)
OMLINE-I を介した有人対応チャットの場合、回答選択式のチャットボットだけでは解決できなかった問い合わせに対し、平均すると約15~20分で対応が完了できるという。メールよりも迅速に問題解決が可能で、問い合わせ後のサポート満足度に対するユーザーアンケートでも、全体でおおむね80~90%が「満足した」と高く評価しているという。
「OMLINE-I では、『LINE』に準じた分かりやすいUI を採用しており、サポート担当のオペレーターにとっても、操作習得までの時間が非常に短く、操作性が良いと評価されています。また、ユーザーとの情報のキャッチボールがリアルタイムにでき、リアクションをすぐに受けられるというメリットが、サポート業務へのモチベーション向上にもつながっているようです」(武井氏)
LINE が国内5サービスで導入しているOMLINE-I は、もともと、LINEの関連サービスであるモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」向けに、LINEとテラスカイが共同で開発に取り組んだシステムがベースとなっている。同様のニーズを持った企業が、その仕組みを手軽に利用できるようにパッケージ化されたものがOMLINE-Iであり、LINEはOMLINE-Iの最初のユーザーというわけだ。
OMLINE-Iは2018 年5月に「LINE Pay」で導入されて以降、中核となるメッセンジャーサービスの「LINE」、「LINEチケット」など、合わせて5つのサービスのカスタマーサポートシステムに使われている。1年ほどの短期間で、次々と導入を広げていったことになる。
「ユーザーサポートの基本的な方針は、不安や疑問を持ったユーザーが、問題を自己解決できるようにする情報をスピーディーに提供することです。その第一段階として、ヘルプコンテンツやチャットボットによる回答を充実させるように心がけていますが、『LINE』については、問い合わせ内容も多岐にわたるため、どうしても解決できない内容が出てきてしまいます。そこに、メールよりも手軽でリアルタイム性の高い有人対応チャットを加えることで、サポート満足度の向上を図っています。最初に導入した『LINE Pay』と『LINE』を除いた3つについては、リアルタイム性の高い、人による手厚いサポートが必要という、ビジネス側からのニーズが大きかったことが、短期間で導入が進んだ理由です」(武井氏)
OMLINE-I を介した有人対応チャットの場合、回答選択式のチャットボットだけでは解決できなかった問い合わせに対し、平均すると約15~20分で対応が完了できるという。メールよりも迅速に問題解決が可能で、問い合わせ後のサポート満足度に対するユーザーアンケートでも、全体でおおむね80~90%が「満足した」と高く評価しているという。
「OMLINE-I では、『LINE』に準じた分かりやすいUI を採用しており、サポート担当のオペレーターにとっても、操作習得までの時間が非常に短く、操作性が良いと評価されています。また、ユーザーとの情報のキャッチボールがリアルタイムにでき、リアクションをすぐに受けられるというメリットが、サポート業務へのモチベーション向上にもつながっているようです」(武井氏)
台湾でのカスタマーサポートにOMLINE-Iを導入した理由
LINEではOMLINE-Iを、国内に続き台湾で提供するLINEヘルプのサポートシステムとして導入した。「LINE」のサービス開始当初は、台湾を含め、日本以外のユーザーからの問い合わせについても対応を日本で行っていたそうだ。しかし、グローバル展開を強化する中で、よりサポート品質を高めていくためには、現地の状況やユーザーによるサービスの使い方などを熟知した対応が効果的と判断し、現在では多くの地域で、現地にカスタマーサポートを設けている。
台湾から、サポートの新たな仕組みについてのリクエストがあったのは、2018 年の秋ごろ。現地のカスタマーサポートから「メールとチャットボットによる自動応答のみでは、すべての問い合わせに対応できない」、「オペレーターによる有人対応をチャネルのひとつに加え、それらを一元的に管理したい」という要望があった。
国内でOMLINE-Iをベースとした仕組みを横展開した実績を活かし、台湾でもパッケージサービスを拡張する形でいくつかの機能を付け加えていくのが自然な流れだった。
拡張機能の例としては、問い合わせが集中し「接続待ち」の人数が増え続ける状態になった場合に、「一定の人数以上の接続待ちを自動応答で打ち切れる機能がほしい」というニーズがあったそうだ。
こうした追加機能の開発は、日本と台湾のサポート担当者に、テラスカイのエンジニアを交えて進められた。
「お互い母国語ではない英語で意思疎通をしながら作業を進めたので、理解の違いを埋めていくのは若干苦労しました。ただ、開発を担当するテラスカイの担当者も詳しいドキュメントを用意してくれて、それをベースに話を進めていくことで開発は順調に進められました」(武井氏)
台湾から、サポートの新たな仕組みについてのリクエストがあったのは、2018 年の秋ごろ。現地のカスタマーサポートから「メールとチャットボットによる自動応答のみでは、すべての問い合わせに対応できない」、「オペレーターによる有人対応をチャネルのひとつに加え、それらを一元的に管理したい」という要望があった。
国内でOMLINE-Iをベースとした仕組みを横展開した実績を活かし、台湾でもパッケージサービスを拡張する形でいくつかの機能を付け加えていくのが自然な流れだった。
拡張機能の例としては、問い合わせが集中し「接続待ち」の人数が増え続ける状態になった場合に、「一定の人数以上の接続待ちを自動応答で打ち切れる機能がほしい」というニーズがあったそうだ。
こうした追加機能の開発は、日本と台湾のサポート担当者に、テラスカイのエンジニアを交えて進められた。
「お互い母国語ではない英語で意思疎通をしながら作業を進めたので、理解の違いを埋めていくのは若干苦労しました。ただ、開発を担当するテラスカイの担当者も詳しいドキュメントを用意してくれて、それをベースに話を進めていくことで開発は順調に進められました」(武井氏)
台湾独自の運用ルールにも対応しつつ約9か月で運用開始
台湾のLINEヘルプのサポートシステムへのOMLINE-I導入は2019 年6月に完了し、既に運用が開始されている。現在では、各問い合わせやサービスのカテゴリーごとに数名のオペレーターを配置し、メールとチャットでのサポート対応を行っている。実際の業務にあたっては、台湾独自の運用ルールも適用されているそうだ。
「本来OMLINE-I には、ユーザーから送られてきた問い合わせを、対応可能なオペレーターに順次振り分けるルーティング機能があります。しかし台湾では、1つの『LINE公式アカウント』で複数サービスの問い合わせを受け付けていたり、サービスごとに担当するオペレーターが分かれていたりするため、『担当しているサービスの問い合わせ』を自らピックアップしていくという運用スタイルがとられています。そのほうが、回答の効率がより良くなるという判断です。現地のスタッフにとって最もやりやすい方法で、効率とサポート満足度を高めていってもらえればと考えています」(武井氏)
台湾のオペレーターからは、チャットを通じてユーザーの声をダイレクトに聴き、リアルタイムで問題解決に導ける点が、業務のやりがいにつながっているとの評価を得ているという。
「本来OMLINE-I には、ユーザーから送られてきた問い合わせを、対応可能なオペレーターに順次振り分けるルーティング機能があります。しかし台湾では、1つの『LINE公式アカウント』で複数サービスの問い合わせを受け付けていたり、サービスごとに担当するオペレーターが分かれていたりするため、『担当しているサービスの問い合わせ』を自らピックアップしていくという運用スタイルがとられています。そのほうが、回答の効率がより良くなるという判断です。現地のスタッフにとって最もやりやすい方法で、効率とサポート満足度を高めていってもらえればと考えています」(武井氏)
台湾のオペレーターからは、チャットを通じてユーザーの声をダイレクトに聴き、リアルタイムで問題解決に導ける点が、業務のやりがいにつながっているとの評価を得ているという。
サポートに「有人対応チャット」を組み込むメリットは大きい
LINEでは、今後も各国拠点の状況とニーズに合わせた形で、カスタマーサポートに有人対応チャットとOMLINE-I の導入を進めていく意向だ。さらに、「LINE公式アカウント」の機能のひとつとして提供しているチャットボットには、LINEが外部に提供するAI 技術「LINE BRAIN CHATBOT」などを活用し、カスタマーサポートにかかるコストを削減しつつ、利用者の満足度を高めていくことを目指している。
より多くの企業に有人チャットを組み込んだカスタマーサポートを勧めたいと武井氏は、話す。
「有人チャットによるリアルタイムの対応は、メールに比べて解決時間が格段に短縮でき、ユーザーの満足度が大幅に上がることが見込めます。また、もし電話によるサポートをしているのなら、それをチャットに切り替えることで、複数同時対応による大幅な効率化が可能になり、サポートの工数とコストを削減できます。OMLINE-I にはチャットサポートで必要となる多くの機能が標準で搭載されているので、自社に必要な機能を検討した上で導入を進めてみるといいと思います」(武井氏)
より多くの企業に有人チャットを組み込んだカスタマーサポートを勧めたいと武井氏は、話す。
「有人チャットによるリアルタイムの対応は、メールに比べて解決時間が格段に短縮でき、ユーザーの満足度が大幅に上がることが見込めます。また、もし電話によるサポートをしているのなら、それをチャットに切り替えることで、複数同時対応による大幅な効率化が可能になり、サポートの工数とコストを削減できます。OMLINE-I にはチャットサポートで必要となる多くの機能が標準で搭載されているので、自社に必要な機能を検討した上で導入を進めてみるといいと思います」(武井氏)
【本事例の導入製品・サービス】
OMLINE-I
LINE公式アカウントとSalesforce Service Cloudを連携し、LINE経由の問い合わせと電話やSNSなどさまざまなチャネルの問い合わせを一元的に管理できるソリューションです。
LINE公式アカウントとSalesforce Service Cloudを連携し、LINE経由の問い合わせと電話やSNSなどさまざまなチャネルの問い合わせを一元的に管理できるソリューションです。
Salesforce Sales Cloud
「取引先」「見込み客」「商談」などを管理することができ、営業の効率化や受注精度の向上につながるSFAアプリケーションです。
「取引先」「見込み客」「商談」などを管理することができ、営業の効率化や受注精度の向上につながるSFAアプリケーションです。
会社プロフィール
LINE株式会社様
- 所在地:
- 東京都新宿区
- 事業概要:
- コミュニケーションアプリ「LINE」を中核に、デジタルコンテンツ配信サービス、仮想通貨取引サービス を含む金融関連事業などを提供