アルテリア・ネットワークス株式会社様
サイロ化している顧客情報をSalesforce Service Cloudで一元化
内製化によってユーザーのフィードバックを迅速対応、発展し続ける顧客情報基盤
- Sales Cloud
- Service Cloud
- IT・コンサルティング
- 500-5,000名
- 営業支援
- 顧客管理
- コンタクトセンター
概要
アルテリア・ネットワークス株式会社は、これまで社内に併存していた複数の法人向けコールセンターCRMシステムを「Salesforce Service Cloud」によって統合。顧客対応、案件対応の質を高め、効率化していくための基盤を構築した。同社では、新しい基盤の構築と運用にあたって専門の組織を設置。パートナーであるテラスカイから、提案と技術支援を受けながら統合を実現した。引き続き、Salesforceを活用して、社内で迅速なシステム改善を継続できる体制の確立を目指している。
背景
アルテリア・ネットワークス株式会社 エンジニアリング オペレーション本部 カスタマーオペレーション部 エンタープライズサポート課で課長を務める大平智仁氏はこう語る。
「合併から時間が経ち、会社としてお客様に複数の商材を統合的にご提供する機会も増えてきました。しかし、顧客対応の窓口は商材によって異なり、旧会社の商材をまたぐような問い合わせや提案に対しては、各窓口のオペレーターが手作業で個別のデータベースを検索したり、適切な部門へエスカレーションしたりといった状況が続いていました。徐々にそれがボトルネックとなってきて、お客様の満足度を担保するために、現場の社員は相当苦労していました」(大平氏)
業務プロセスの改革と標準化を専門組織で推進
今回の「Salesforce Service Cloud」による、顧客対応窓口と顧客情報の統合は、そのゴールへ向かうための第一歩となるものだ。
次世代運用推進本部 OSS開発推進部 OSS企画課で課長を務める梅谷弘樹氏によると、プラットフォームとしてSalesforceを選択した理由は、これまで営業、販売活動の一部に「Salesforce Sales Cloud」を活用してきた実績が大きかったとのことだ。顧客対応において、重要な役割を担う営業部門にとって、なじみのあるプラットフォームをベースとすることが、新たな基盤を作っていくうえで最善と判断したという。
また、同社では、フロントエンドの小規模な修正や機能改善を外部のシステム会社に依頼するのではなく、内製で迅速に行える体制を構築したいと考えていた。そのために、ノーコードでの開発が可能なSalesforceを活用することを前提にした。
同じく OSS開発推進部 OSS企画課で、今回のプロジェクトを梅谷氏と共に進める大貫琳子氏は「これまでSalesforceを活用してきた経験から、将来的に私たちが実現したいシステムと運用の姿を、Salesforce Service Cloudによって実現できそうだという期待がありました」と話す。
「あるべき業務の姿」を議論しつつ短期間で構築
OSS開発推進部では、将来的に顧客窓口業務を含む、全社的な業務プロセスを標準化することを視野に入れながら、それを実現できるようなデータベースやUI/UXの設計を検討したという。2020年の4月から5月にかけて、テラスカイによるシステムの現状調査と、OSS企画課による標準業務プロセスの検討が並行してスタート。5月中旬に要件定義を行い、8月には本格的な構築作業に着手した。
顧客情報基盤の統合は、大きく2つのフェーズで進められた。フェーズ1では主要な6つの顧客窓口の統合。フェーズ2ではそこにロケーションの異なる別の窓口を追加した。これまで個別に運用されていた業務の標準化と、それをシステムに落とし込む作業は複雑なものとなり、かなりの労力を費やしたという。
Salesforce Service Cloud上での開発は、コールセンター統合のノウハウに基づくテラスカイの提案と、アルテリア・ネットワークス側で実現したい業務プロセスとのせめぎ合いの中で、最善の落とし所を見きわめることを繰り返しながら進められた。
テラスカイ側の提案が採用されたケースもあれば、アルテリア・ネットワークスの強い希望が最終的な仕様に反映されたケースもある。たとえば顧客対応のための「チケット」(ケース) は、一般的なコールセンターシステムよりも複雑な多段構造になった。新たな基盤において、同社では顧客に対する情報を各顧客の営業担当者だけでなく、バックボーンネットワークの障害対応を行う部署などでも共有していきたいとのビジョンがあった。
「このチケット構造は絶対に必要だと考えていたのですが、 Salesforceの標準機能にはコールセンターへの問い合わせを多段で管理するという概念がなく、個別に開発を行う必要がありました。テラスカイからはオペレーターの負荷を考えて2段までにすることを提案されたのですが、われわれの意図を説明して理解してもらい、結果的に3段構造を実現してもらいました」(大貫氏)
そのほかにも、コールセンターで導入している CTIシステムの仕様上、録音データが自動的にSalesforceのケースに連携しないという問題について、テラスカイが提示した複数案の中から解決策を選択したり、社内に浸透しているメール文化に適応する形でチケット情報を担当者へメール配信したりするような仕組みをテラスカイの支援の下で作り込んでいった。同社が、テラスカイと、自社の業務について議論しながらシステムを作り上げられた背景には、アルテリア・ネットワークス側がプロセス重視思考を持ち、あらかじめ「業務プロセスのあるべき姿」を明確にイメージしていたことが大きい。 両社はクラウドのプロジェクト管理ツールなども駆使し、詳細な議論を重ねながら構築を進めていった。開発開始から約2ヶ月後の10月24日、フェーズ1となる主要6窓口に対して統合顧客情報基盤をリリース。2021年2月にはフェーズ2として新たな窓口を追加した。
「われわれの求める要件が複雑なうえ、コロナ禍などでどうしてもコミュニケーションが行き届かず、認識のずれが生じる局面もありました。しかしテラスカイにはWebでのコミュニケーションに迅速に応じてもらえたことで、意識を合わせながらリリースにこぎ着けることができました。結果としてわれわれが当初想定していた以上の業務基盤が整備できたと思っています」(梅谷氏)
内製で改善を進めながら 適用範囲を広げて成果を拡大
同社では現在、Salesforce Service Cloud上に構築した統合顧客情報基盤で、主要な顧客窓口での対応業務、関連部署へのエスカレーションを行っている。試算では、これまで人手で行っていた年間1,500時間の作業が、新しい顧客情報基盤によって削減される見込みだという。これはフェーズ1のみの効果で、以降はフェーズ2で追加された窓口での実績や不要となった複数の旧顧客情報基盤の運用管理コストの削減などが進めば、業務効率化、システム運用コスト削減の双方で、さらに大きな成果を見込める。
今後、統合顧客情報基盤は同社の業務プロセスを革新し、顧客満足度を高めるための基盤となっていく。システム上で標準化されたプロセスを業務の現場に根付かせ、継続的に洗練していく取り組みはここからが本番となる。その取り組みを進めるうえで、アルテリア・ネットワークスでは Salesforce Service Cloudの特長を有効に活用していきたいと意気込む。
「現場がシステムを使っていて『ここが使いづらい』『こういう 機能がほしい』と感じたら、それを OSS開発推進部にすぐにフィードバックしてもらえる仕組みを設けています。Salesforceの標準機能で対応でき、かつ優先度の高いものについては社内ですぐに修正や対応ができるようにしています。OSS企画課は私も含めてコードを書いたことのない非エンジニアで構成されていますが、テラスカイが行う有償のSalesforce管理者向けトレーニングに参加し、標準機能であれば自分たちで対応できるようになりました。現場から上がった要望をすぐに形にして、見てもらえる環境は、使う方たちの信頼を高めることにもつながっています。この信頼を通じて、業務の改革もスムーズに進めていければと考えています」(大貫氏)
ノーコードというSalesforceの強みを生かして内製化による迅速な業務改善を目指しているアルテリア・ネットワークス。 同社では今回構築した統合顧客情報基盤の改善を続けつつ、その適用範囲をバックボーンネットワークの監視部門など、顧客対応に関わるあらゆる部署へと段階的に拡大していく構えだ。
「統合顧客情報基盤は、一回リリースしてそれで終わりという性質のものではありません。お客様に関わる情報をすべて集約し、関係部署でスムーズに共有する基盤として、改善と拡張を続けていきます。そのためには、既存のさまざまなシステムとのさらなる連携が必要になってくるでしょう。今回の顧客情報基盤統合を的確な提案と技術力でサポートしてくれたテラスカイには、この先のビジョンの実現に向けて、引き続き協力してほしいと願っています」(梅谷氏)
今後、統合顧客情報基盤は同社の業務プロセスを革新し、顧客満足度を高めるための基盤となっていく。システム上で標準化されたプロセスを業務の現場に根付かせ、継続的に洗練していく取り組みはここからが本番となる。その取り組みを進めるうえで、アルテリア・ネットワークスでは Salesforce Service Cloudの特長を有効に活用していきたいと意気込む。
「現場がシステムを使っていて『ここが使いづらい』『こういう 機能がほしい』と感じたら、それを OSS開発推進部にすぐにフィードバックしてもらえる仕組みを設けています。Salesforceの標準機能で対応でき、かつ優先度の高いものについては社内ですぐに修正や対応ができるようにしています。OSS企画課は私も含めてコードを書いたことのない非エンジニアで構成されていますが、テラスカイが行う有償のSalesforce管理者向けトレーニングに参加し、標準機能であれば自分たちで対応できるようになりました。現場から上がった要望をすぐに形にして、見てもらえる環境は、使う方たちの信頼を高めることにもつながっています。この信頼を通じて、業務の改革もスムーズに進めていければと考えています」(大貫氏)
ノーコードというSalesforceの強みを生かして内製化による迅速な業務改善を目指しているアルテリア・ネットワークス。 同社では今回構築した統合顧客情報基盤の改善を続けつつ、その適用範囲をバックボーンネットワークの監視部門など、顧客対応に関わるあらゆる部署へと段階的に拡大していく構えだ。
「統合顧客情報基盤は、一回リリースしてそれで終わりという性質のものではありません。お客様に関わる情報をすべて集約し、関係部署でスムーズに共有する基盤として、改善と拡張を続けていきます。そのためには、既存のさまざまなシステムとのさらなる連携が必要になってくるでしょう。今回の顧客情報基盤統合を的確な提案と技術力でサポートしてくれたテラスカイには、この先のビジョンの実現に向けて、引き続き協力してほしいと願っています」(梅谷氏)
【本事例の導入製品・サービス】
Salesforce Sales Cloud
「取引先」「見込み客」「商談」などを管理することができ、営業の効率化や受注精度の向上につながるSFAアプリケーションです。
「取引先」「見込み客」「商談」などを管理することができ、営業の効率化や受注精度の向上につながるSFAアプリケーションです。
Salesforce Service Cloud
「ケース管理」や「ナレッジ管理」といった機能があり、問い合わせ対応の効率化や自動化につながる顧客サポートに特化したアプリケーションです。
「ケース管理」や「ナレッジ管理」といった機能があり、問い合わせ対応の効率化や自動化につながる顧客サポートに特化したアプリケーションです。