株式会社KRC様イメージ

株式会社KRC様

Salesforceで保険代理店の業務システムを一新! 顧客管理を大幅に強化し、業務のデジタル化と今後の成長を支える基盤を確立

  • Sales Cloud
  • 金融(銀行・保険・証券)
  • 500-5,000名
  • 営業支援
  • 顧客管理

概要

株式会社KRCは、志を同じくする複数の保険代理店が集まり、2002年4月に福岡県で創業した総合保険代理店だ。日本各地の111拠点(2023年7月時点)で地域に密着した活動を展開し、「相互扶助の精神」に基づいて、社会情勢の変化に柔軟に対応しながら顧客に安心を届ける「信頼される真のリスクマネージャー」を目指している。
今回同社は、Salesforceを採用して顧客管理と契約情報確認を担う業務システムを一新した。事務処理が主だった従来のシステムから大幅な機能の強化を実現し、業務効率化のほか、クラウド化による事業継続性の向上も果たしている。

設計の古さや保守の課題があった業務システムを一新

株式会社KRC 代表取締役 畑田 良伊氏

株式会社KRC
代表取締役
畑田 良伊氏

「『相互扶助の精神』は、創業時から変わらない弊社の根幹です。事業組合のような保険代理店を作りたいと2002年に創業してから21年になりますが、20人にも満たない規模だった当時から、今では募集人が480人ほど、事務やその他の人員が220人ほど、併せて700人を超える規模まで成長しました。近年では同じ志を持つ仲間をさらに増やしたいと取り組んでおり、日本全国へ展開しているところです。その活動の一環で、2023年4月には東京オフィスを東京本社に改めました」(畑田氏)
株式会社KRC 代表取締役の畑田良伊氏は、同社の成り立ちと歩みを振り返りながら、さらなる成長に強い意欲を見せている。2020年から続いたコロナ禍においても、対面での営業活動などに影響は受けつつも、各拠点の地域に根差した対応や、保険会社による新たな保険商品の提供といったこともあり、堅調な業績を維持している。
保険業界全体で進む業務のデジタル化、ペーパーレス化の流れにも遅れることなく、募集人のタブレット端末活用を促しているとシステム部 部長の木場貴勇氏は話す。
「弊社の募集人の平均年齢は54歳ほどと高く、パソコンの操作が得意ではないという人もいますが、タブレット端末の活用は業界全体の動きですから順次対応してきました。端末は個人所有で、各々が使いやすいものを使っています。モバイルデバイス管理(MDM)ツールを用いて、会社として適切な資産管理とコンプライアンス強化を図っています」(木場氏)
一方、顧客情報の管理や契約情報の確認など保険業務の中核となるシステムでは、深刻な課題が生じていたという。
「独自に構築したシステムを15年近く使ってきたのですが、設計が古くなり、今の時代に求められる顧客管理や業務改革への対応は難しくなっていました。保険業法の改正で義務化されたお客様の意向把握も、システムとしての対応は付け焼刃のような状態で、十分とは言えないものでした。 また、開発や保守を依頼していたベンダーの人材不足で、不具合の改修もままならなくなってしまっていたのです。会社の規模がどんどん大きくなり、お客様や契約数も増えていく中で、古いシステムを使い続けるのは厳しく、システム刷新をと判断しました」(木場氏)

「日本の保険代理店が使っているシステムをほぼすべて見た」結果、先進性と信頼性でSalesforceを採用

株式会社KRC システム部 部長 木場 貴勇氏

株式会社KRC
システム部 部長
木場 貴勇氏

新しいシステムの選定では、保険代理店向けのさまざまな業務システムを比較検討したと木場氏は話す。
「日本の保険代理店が使っているシステムをほぼすべて見たのではないかというくらい、情報を集めて検討しました。そして、保険代理店向けに用意されているものは、どれも設計が古いと感じました。最も重視した顧客管理の面でも、今一つという印象でした。 業務システムを入れ替えるというのはとても大きなプロジェクトです。そのせっかくの機会に古いと感じるシステムを選ぶのはいかがなものかと思い、Salesforceの採用を決断しました」(木場氏)
日本の金融業界でもSalesforceの利用が進んでいること、同社の取引先である保険会社でもSalesforceの導入が増えていたことは、決断の後押しになったという。システム環境のクラウド化によって、事業継続性の向上も果たせると考えた。
「Salesforceは、顧客管理システムとしての出来の良さ、セキュリティの高さ、年数回のバージョンアップ対応など群を抜いていて、時代の変化にも対応しやすいだろうと思いました。また、以前のシステムのように、担当者が辞めてしまったらどうしようもなくなるという状況は避けたかったので、企業の規模が大きくて信頼感があったことも理由です。 九州や西日本は自然災害が多く、事業継続性の観点から対策が必要と思っていたのですが、システムの規模や人員の問題などで踏み出せずにいました。今回のSalesforceの採用で、改善が図れたのは何よりです」(木場氏)

テラスカイの支援を得ながら短期間のプロジェクトを完遂

Salesforceの採用を決断して、セールスフォース社へ直接問い合わせをした木場氏は、従来のシステム環境の課題や懸念、ベンダーへの要望などを率直に伝えたとのこと。そして、構築パートナーとして紹介されたのがテラスカイだった。
「しっかりした会社とお付き合いしたい、対応力が高くてスピーディに体制が整えられるところがいいとお話ししました。テラスカイを紹介いただいたのは2020年4月くらいですね。当時はテラスカイのことはあまり知りませんでしたが、セールスフォースからのご紹介ということや、福岡にある事業所が弊社と近いことも踏まえて、依頼することにしました」(木場氏)
今回のプロジェクトは2020年6月にキックオフし、要件定義と開発を経て、2021年1月にリリースという非常に短期間で進められた。2020年はコロナ禍で全世界的に混乱が生じた最初の年で、慣れないリモートワークをしながら業務システムの入れ替えという大きなプロジェクトを進めることになり、苦労は多かったという。テラスカイの支援を受けながら完了にこぎつけたと木場氏は振り返る。
「オンラインでミーティングするということ自体に慣れておらず、対面と比べて意思疎通が十分に行えないのは苦労しました。保険のシステムは仕様が複雑なので、細かなところも画面共有などしながら開発を進めていくのは大変でしたね。テラスカイには、すでにSalesforceを導入している保険代理店のシステムなどを参考に、開発のコツやノウハウを教えていただきました」

契約情報の確認をはじめ日々の業務が大きく効率化

新システムはSalesforce Sales CloudとSalesforce Platformを基盤とし、保険業界の標準インフラである共同ゲートウェイとの連携も独自に作り込むことで対応した。保険会社との契約情報の連携は、テラスカイのDataSpider Cloudを用いてSalesforce側にリアルタイムに反映できる仕組みを整備している。
2020年10月から数拠点で試験運用を行い、2021年1月から全社へ展開した。社内の理解促進や定着に向けて、紙のマニュアルや操作説明動画などを作成し、遠隔操作でレクチャーできる環境も整えているという。課題だった顧客情報の管理は大きく改善され、効果を実感しているが、移行当初は不安や反発もあったと畑田氏は話す。
「お客様第一を謳っている以上、お客様の情報を適切に扱える環境を整備するのは当然なのですが、以前のものとは天と地ほども違う先進的なシステムになったので、現場の募集人の方々からは戸惑いの声がありました。使い方がよくわからないので、前のシステムに戻してほしいという意見もありましたが、各拠点を訪れて説得していきました。そうした混乱を乗り越えて、現在は落ち着いてきた感じです」(畑田氏)

株式会社KRC コンプライアンス統括部 鈴鹿 真也氏

株式会社KRC
コンプライアンス統括部
鈴鹿 真也氏

保険代理店業務において最重要ともいえるお客様の意向把握・情報提供が適切に行われているかを確認する業務が新しいシステムでは飛躍的に効率化されたとコンプライアンス担当者鈴鹿氏は話す。
「2016年施行改正保険業法において、契約時意向把握及び情報提供が義務化されました。弊社では500人近い募集人の方が、毎月お客様から新規の契約をいただいており、月平均で3,000~4,000件ほどに上ります。以前は複数の保険会社のシステムにログインして個別に情報を確認していたので、ものすごく時間と手間がかかっていました。これがSalesforceの導入で一新され、契約先の保険会社がどこであるかに関わらず、すべてのデータをレポート機能でまとめて確認できるようになりました。私も日々チェック業務を行っていますが、毎日定時に退社できるほどスムーズに進められるのは大きなメリットです。
本システムの多様な機能を使いこなせる方が増えてくれば更なる業務効率化が図れ、募集人の皆さんのサポートや顧客サービス向上に繋がると考えています」(鈴鹿氏)

顧客獲得などの積極活用を全社で目指す

効果の度合いを数値で示すのは難しいが、企業として業務が効率化したのは間違いないと、畑田氏も新システムを評価している。今後は、顧客獲得を支援する積極的な活用を目指したいとのこと。
「今は管理側の利用と効果という『守り』の面が主ですが、これからは強化された顧客管理の機能などを活かして、お客様の獲得、適切なご提案など『攻め』の部分で役立てられればと思っています。募集人の方々にももっと活用してほしいので、理解と浸透を図っていくことが目標です」(畑田氏)
機能面では、保険会社によって異なるデータの書式に対応するため、手動で行っているメンテナンス作業の自動化などに取り組みたいと木場氏は話す。利用促進に向けたワンポイント情報の発信も、地道に続けていきたいとしている。 今回のプロジェクトにおけるさまざまな支援と稼働後のフォローを通して、同社はテラスカイへの信頼が大きく高まったと話す。今後も良好な関係を保ち、開発支援や情報提供などサポートしてほしいと期待を表している。
「Salesforceは年に数回のバージョンアップがあります。その内容や、更新によって改善される部分、新たにできるようになることなど、私たちだけでは追い切れない細かな情報を、専門的な知見を交えて教えてほしいですね」(木場氏)
「今、弊社の業務にSalesforceは不可欠です。そして、Salesforceをより活用していくにはテラスカイのご支援がなくてはならないと強く感じています。これからの成長、発展に向けて、引き続きご協力いただければと思います」(畑田氏)
株式会社KRC 畑田氏、木場氏、鈴鹿氏

左から
株式会社KRC 木場氏、畑田氏、鈴鹿氏

【本事例の導入製品・サービス】

Salesforce Sales Cloud
「取引先」「見込み客」「商談」などを管理することができ、営業の効率化や受注精度の向上につながるSFAアプリケーションです。

会社プロフィール

株式会社KRC様

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URL:
https://krc.krc-g.com/
所在地:
福岡県福岡市
事業概要:
個人・法人を対象とした各種保険商品の提案、販売
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