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太陽生命保険株式会社様

太陽生命保険がSalesforceで団体保険の管理システムを半年で刷新─事務作業上の不備を10分の1に削減し、複数商品の加入率が増加

  • Service Cloud
  • Experience Cloud
  • mitoco X / DataSpider Cloud
  • 金融(銀行・保険・証券)
  • 5,000名以上
  • 顧客管理
  • 社内外との情報共有
  • データ連携
  • ペーパーレス化

概要

家庭に寄り添う生命保険会社として事業を展開してきた太陽生命保険は、2024年度「挑戦と改革によって、お客さまの元気・長生きを支える会社」という経営方針を掲げ、デジタル技術を活用した業務改革に取り組んでいる。同社では、DXが進んだ個人保険事業に比べて、企業保険(団体保険)事業では遅れをとっていたが、全社でDX推進の必要性が高まり、企業保険事業の要である団体保険Web管理システム「おひさまねっと」の刷新に着手。テラスカイをパートナーに選定し、Salesforce(Service Cloud/Experience Cloud)を活用したシステム構築を推進している。

DXの機運が高まり、デジタル化が遅れていた団体保険分野のシステム刷新を検討

2023年に創業130周年を迎えた太陽生命保険では、「人生100歳時代」を見据えて、従業員・お客様・社会の"元気・長生き"を応援する横断型のプロジェクト「太陽の元気プロジェクト」を2016年6月より始動し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めている。同社では、個人保険分野、いわゆる営業職員チャネルと、金融機関の保険窓販、法人向けの団体保険分野の3本柱で事業を展開している。

個人保険分野においては、業務のシステム化、ペーパーレス化が進んでいた同社だが、団体保険分野では紙をベースにした募集方法から抜け出せず、事務作業の負荷増大を招く要因となっていた。

太陽生命保険株式会社 企業保険管理部長 大熊 誠一 氏

太陽生命保険株式会社 企業保険管理部長 大熊 誠一 氏

団体保険事業は、団体保険営業を担う法人営業推進部と、バックオフィスとして契約の管理、給付の支払いや解約手続きなどの事務全般を担う企業保険管理部という2つの部署で構成されている。おひさまねっとの刷新プロジェクトに初期から携わり、Salesforce導入の舵取り役を務めた企業保険管理部長の大熊 誠一 氏は、当時の課題やSalesforce導入の経緯についてこう振り返る。

「法人営業推進部では加入団体からの要求に対応するためシステム改修が急務となっており、企業保険管理部においても、紙ベースの業務による作業工数の増大や、事務ミスの増加といった課題を抱えていました。そうしたなかで、セールスフォース・ジャパン社の提案により、導入パートナーであるテラスカイと話し合う場を持ちました。当時は内製でのスクラッチ開発が主流だったこともあり、導入検討にまでは至りませんでしたが、パッケージのようなSalesforceのシステムは選択肢の1つとして魅力を感じていました。その後、社内でDXの機運が高まったタイミングであらためてテラスカイに連絡し、本格的な導入検討を進めていきました」(大熊氏)

太陽生命保険株式会社 法人営業推進部 部長 木股 淳一 氏

太陽生命保険株式会社 法人営業推進部 部長 木股 淳一 氏

法人営業企画や営業戦略、DX戦略に携わる法人営業推進部 部長の木股 淳一 氏も、プロジェクト発足当時から参画しているメンバーの一人で、本プロジェクトを団体保険事業におけるDX推進の先駆けと位置付けている。

「法人営業推進部の立場としては、当然ながらいかに営業的に使えるか、加入団体の要求に応えられるかに主眼を置いてプロジェクトに参加しています。企業・団体保険は他社の製品との差別化が難しい側面があり、システム化、デジタル化によって弊社の優位性を保つことを意識しました」(木股氏)

利便性向上と業務負荷軽減に向け、Salesforceを用いたシステム構築プロジェクトが始動

2016年に運用を開始したおひさまねっと(以下、旧おひさまねっと)は、紙ベースの営業手法を前提として構築されており、顧客が求める利便性を提供できていなかったと木股氏は語る。

「旧おひさまねっとでは、団体ごとに個別システム(Webページ)を作っていたため、準備に時間がかかってしまい、迅速かつ柔軟なシステム運用ができていませんでした。さらに団体保険は死亡保険や医療保険、介護保険など複数の商品を一度に申し込もうとしても、旧おひさまねっとでは1つの商品ごとに画面が分かれており、1つ1つ申し込んでいく必要がありました」(木股氏)

太陽生命保険株式会社 企業保険管理部 団体保険課長 中嶋 毅 氏

太陽生命保険株式会社 企業保険管理部 団体保険課長 中嶋 毅 氏

加入申し込みから途中の契約変更の手続き、給付の支払いや保険金の支払いなど団体保険のバックオフィス全般を管理している企業保険管理部 団体保険課長の中嶋 毅 氏も課題を感じていた一人だ。

「各団体の要求に応えたいという思いから、団体ごとにオーダーメイドでWebページを作っていましたが、非効率的で汎用性に欠けるといった問題があり、どうしても時間と手間がかかっていました。今回のプロジェクトでは、団体ごとの個別対応ではなく、複数の団体に対して汎用的なシステムを提供できることを目指しました」(中嶋氏)

セキュリティの観点からクラウドサービスの利用に慎重だった同社だが、全社的なDXを推進していくなかで、自社内ですべてのシステムを保有するリスクも認識するようになっていた。そこで、多様な業種・規模の企業・組織に導入され、セキュリティ面でも高く評価されているSalesforceを採用し、同社におけるクラウド活用の先駆けとなる本プロジェクトが始動した。

キックオフからリリースまで約半年、短期間でシステムを構築

Salesforceを活用した「新おひさまねっと」(以下、おひさまねっと)構築プロジェクトは、複数のステップで推進されている。Step1.0は2023年11月にキックオフし、団体保険加入申し込み機能に絞った形でシステム構築が進められた。2024年5月から加入者募集を開始したいという団体の要望に応えるため約半年での開発・リリースという極めて短期間での構築プロジェクトとなった。

中嶋氏は、プロジェクトについて次のように振り返る。

「2023年11月~12月で、テラスカイを含めて要件定義を行い、そこから約4カ月をかけて開発を行いました。正直、かなりタイトなスケジュールでしたが、テラスカイが尽力してくれたおかげで予定どおりにリリースでき、団体の募集開始に間に合わせることができました。テラスカイが頻繁にテスト環境の画面で進捗状況を見せてくれたことで、具体的に画面がイメージできたため、安心してプロジェクトを推進できました」(中嶋氏)

時間が限られているなかでも、テスト環境を使って法人営業推進部と企業保険管理部の述べ数十人が同時に打鍵検証を行い、細かな不具合やバグを解消した状態で本番に臨むことができたと、中嶋氏はテラスカイのサポートを高く評価する。

木股氏も、テラスカイのキャッチアップの早さと迅速なレスポンスに助けられたと喜びを語る。

「保険業務特有の業務フローやシステム管理の手法などもあり、開始当初はお互いの意思疎通ができない部分もあったのですが、すぐに理解していただきました。我々の要求を先取りして提案してくれることもあり、保険の仕組みについて相当勉強されたのではないでしょうか。頼れるパートナーとして安心してお任せすることができ、本当に感謝しています」(木股氏)

2024年5月には予定していた団体の募集が開始され、大きな問題も発生していないという。同社では、2024年12月現在で30の団体におひさまねっとのシステムを提供しているが、旧おひさまねっとでは、1年で4~5団体への提供が限界だった。「団体ごとの要望に応えたカスタマイズもスピーディに行えることで、年間で約30団体にシステム提供できるようになりました」と中嶋氏はStep1.0の効果に言及する。

太陽生命保険株式会社 企業保険管理部 企業年金課長 宮崎 祐美子 氏

太陽生命保険株式会社 企業保険管理部 企業年金課長 宮崎 祐美子 氏

Step1.0の成功を踏まえ、2024年5月から拠出型企業年金の機能をおひさまねっとに追加するStep1.5がキックオフ。こちらも4か月後の2024年9月をリリース目標とした短期間のプロジェクトとして進められた。団体年金保険の管理を担当している企業保険管理部 企業年金課長の宮﨑 祐美子 氏は、Step1.5の取り組みについて次のように説明する。

「開発期間が短いなかで、私たちも経験のない拠出型企業年金のWebシステム構築を行うことに、当初は不安を感じていました。ただ、テラスカイがこちらの要望を的確に汲み取って適切なアドバイスをしてくれたおかげで、要件確認も開発も本当にスムーズに進めることができました。Step1.0と同様、打鍵検証の機会があり、お客さまに提供する前に十分にテストできたので、安心してリリースを迎えることができました」(宮﨑氏)
法人営業支援の立ち位置で本プロジェクトに携わっている法人営業推進部 法人営業推進部法人業務課 課長代理の髙橋 豊明 氏も「我々がイメージしていた画面レイアウトが、Salesforceで実現できないようなケースもありました。そのような場合は、テラスカイが『こんな方法なら対応できる』と提案・工夫してくれたおかげで、使い勝手のよいインタフェースが実現できました」と語り、スケジュールを遵守しながら、保険会社特有の要望に応えてくれたテラスカイのサポートに感謝の意を述べる。

太陽生命保険株式会社 法人営業推進部 法人業務課 課長代理 髙橋 豊明 氏

太陽生命保険株式会社 法人営業推進部 法人業務課 課長代理 髙橋 豊明 氏

こうして拠出型企業年金の機能は予定どおり2024年9月にリリースを迎え、同月末から募集を開始することができた。

また、今回のプロジェクトでは、おひさまねっとのシステムを、同社の既存システムと連携させる仕組みも構築されている。テラスカイが提供するクラウド型データ連携サービス「mitoco X」が採用され、システム部門との共同作業で、システム間でデータを連携。「データ連携基盤を使って基幹システムからデータ連携をするのは初めての試みでしたので、システム部門から不安の声があがっていたのですが、テラスカイによるSalesforceとmitoco Xの研修が事前にありました。このためシステム部門も十分な理解をした状態で開発が進められ、タイトなスケジュールの中でも問題なくスムーズに連携ができたと聞いています」と髙橋氏は説明する。

ペーパーレス化により事務作業の不備率は10分の1に削減、セット申込率も増加

旧おひさまねっとはあったものの、紙をベースとした募集の方が多かったため、申込書の紛失や漏洩リスクがあり、申込書の記入漏れや不備、これらに伴う確認作業など事務負担も大きかった。また、顧客が複数の商品を申し込む場合は、何度も申込書を記入する必要があるなど、営業面でも課題があった。

おひさまねっとの刷新によってペーパーレス化が進んだことで、これらの課題が解消されたという。特に、事務作業上の不備の削減効果が大きかったと宮﨑氏は語る。

「事務作業上のミス、いわゆる不備率は10分の1程度に減りました。これまでは紙での手続きが多く、印鑑がなかったり、書き込んでいただいた字が読めなかったりして照会させていただくケースが多発し、例年200件程度の不備が発生していました。おひさまねっとでの手続きでは、20件しか発生してないため、お客さまに照会する手間や、照会して戻ってきた紙から入力し直す手間が省けるため、事務の担当者は本当に喜んでいます」(宮﨑氏)

加入者の保険のとりまとめを行う団体事務局の担当者からも、不備のチェックや紙の書類の郵送手配をはじめ、事務作業の時間が削減できたという声が聞こえてきているという。

また、営業推進の面でも、確かな成果が得られていると髙橋氏は語る。

「タブレットやスマホで入力できることで、申し込み作業をスムーズに進められるようになりました。1回の申し込みで複数の商品をお申し込みいただけるようになり、セットでの申込率が上がりました。使いやすくなったと新しいおひさまねっとを評価してくださるお客さまが多く、顧客満足度の向上を実感しています」(髙橋氏)

このように、おひさまねっとの刷新によって、団体事務局、及び同社の法人営業と事務担当者の業務負荷軽減に加え、加入者の利便性向上にもつながっている。

団体保険Webシステムの継続的なバージョンアップに挑む

太陽生命保険ではこれらの成果に満足することなく、Salesforceを用いたおひさまねっとのさらなる機能拡充を推進していくという。

「今後は保険の給付金や、入院された際、手術された際の請求についても、加入者から直接申し込みいただける機能を実装していきます。すでにStep2.0として2024年9月にキックオフし、現在テラスカイと要件定義を進めているところで、2025年4月のリリースを目指しています」(中嶋氏)

さらに同社では、加入者がパーソナライズされた情報をWebページから見られるようにする照会サービスをはじめ、加入者の利便性向上を実現するためのバージョンアップや、デジタルマーケティングを活用した保険募集活動の強化を検討している。

「団体保険の情報と個人向け保険の情報の連携もできるようにしていければと考えています。こちらについても、テラスカイのサポートに期待しています」(大熊氏)
(左から)太陽生命保険株式会社 法人営業推進部 部長 木股 淳一 氏、法人営業部 課長代理 髙橋 豊明 氏、企業保険管理部長 大熊 誠一 氏、企業保険管理部 企業年金課長 宮崎 祐美子 氏、企業保険管理部 団体保険課長 中嶋 毅 氏

(左から)太陽生命保険株式会社 法人営業推進部 部長 木股 淳一 氏、法人営業部 課長代理 髙橋 豊明 氏、企業保険管理部長 大熊 誠一 氏、企業保険管理部 企業年金課長 宮崎 祐美子 氏、企業保険管理部 団体保険課長 中嶋 毅 氏

【本事例の導入製品・サービス】

Salesforce Service Cloud
「ケース管理」や「ナレッジ管理」といった機能があり、問い合わせ対応の効率化や自動化につながる顧客サポートに特化したアプリケーションです。
Salesforce Experience Cloud
Salesforceの機能やデータを活用したコミュニケーション・プラットフォームサービスです。顧客やパートナー企業との密なコミュニケーションや、簡単かつ柔軟なサイト制作などを実現します。
mitoco X
ノンプログラミングでデータ連携ができる、クラウド型のデータインテグレーションサービスです。

会社プロフィール

太陽生命保険株式会社様

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URL:
https://www.taiyo-seimei.co.jp/
所在地:
東京都中央区日本橋2-7-1
事業概要:
1893年の創業以来、常に時代の変化を先取りしたビジネスモデルで個人向け・法人向けの保険事業を展開。昨今では、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」を推進している。
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