株式会社ザクア様イメージ

株式会社ザクア様

Salesforce Field Serviceを導入して、全国で展開するフィールドサービスの業務管理を効率化、ナレッジ活用でサービス品質の向上にも貢献

  • Salesforce Field Service
  • 通信・メディア
  • 100名以下
  • 社内外との情報共有
  • フィールドサービス
  • 社内情報の一元管理
  • 業務効率化
  • ペーパーレス化

概要

主にICT分野におけるフィールドサポートサービスを展開するザクアは、全国で展開するサポートスタッフを管理する業務プロセス管理システムを、セールスフォースが提供するフィールドサービス業務に特化したソリューション「Salesforce Field Service」で刷新した。導入パートナーとしてテラスカイを選定し、自社の環境に合わせながら基本機能をベースに開発、外部のテレフォニーサービスなどと連携させて実装した。ディスパッチ業務や現場でのサポート業務といったフィールドサービスマネジメント全般の効率化を実現した。

柔軟性と拡張性の高いソリューションへの刷新を目的にシステムをリプレース

株式会社ザクア コーポレート本部 副本部長 目崎良氏

株式会社ザクア
コーポレート本部
副本部長
目崎良氏
(※所属は2022年9月の取材当時)

ザクアは、パソコン、スマートフォン、ホームIoTなど情報通信分野においてのフィールドサポートサービスを専門事業とする会社だ。 「ザクアは、2019年に設立されて以来、事業開始当初から案件管理やディスパッチ(担当者の割り当て)をコントロールするシステムは、オンプレミス型のシステムを利用していました。年数が経つにつれ、柔軟性や拡張性に課題が出てきたためリプレースの計画をしました」
そう話すのは、2022年9月までザクアでコーポレート本部の副本部長を務めていた目崎良氏だ。* 目崎氏は、ザクアの設立時の立ち上げメンバーのひとりであり、設立時のシステム構築から今回のリプレースも担当した。
ザクアでは、契約するスタッフを通じて、離島を含む日本全国で、ICT関連の訪問サポートを展開する。一般的にフィールドサポート業務は、さまざまな工程が存在し、委託先を含めた分業体制で進行することが多い。迅速なサポートを行うためにも、プロセス全体を管理するシステムは、それぞれの業務に則しており、連携しやすいことが重要である。各工程での業務ルールや、多岐にわたる契約形態にも沿えるように、柔軟性及び拡張性の高いソリューションを選び、綿密な調整を行ったうえで導入を進めることが、システム化の成果を高められるといえる。
同社では、新システムの構築にあたって、パッケージを中心に、さまざまなプロダクトを比較検討した。
「今回のシステム刷新では、将来的な展開や保守も視野に入れ、オンプレミスではなくクラウドを活用したいと考えていました。ただ、フィールドサポート対応をうたうパッケージは、どちらかというと物流系を想定した、オンプレミス向けのものが多く、われわれの業態、規模にうまく合うものを見つけるのが難しい状況でした」と目崎氏は言う。
最終的に、候補に残ったいくつかのクラウドサービスを比較し、同社では「Salesforce Field Service」の導入を決定する。「十分なセキュリティレベルを備えたクラウド環境で利用でき、われわれの希望する使い方ができそうなものとなると、ほぼ、Salesforceしか、選択肢がない状況だった」(目崎氏)という。

現状のプロセスを見直しつつパッケージをカスタマイズ

「Salesforce Field Service」は、Salesforceのクラウドプラットフォーム上で提供される、フィールドサービス業務の支援ソリューションである。「Salesforce Service Cloud」の機能に加え、独自のビジネスロジックやルールの追加、画面の変更、システム連携といった点で、高い柔軟性、拡張性を備えている。
「Salesforce Field Service」の基本的な機能としては、空き時間や保有スキル、現在地などの要素に基づいた作業スタッフの自動アサイン機能、ディスパッチ業務担当者(ディスパッチャー)向けのグラフィカルな管理コンソール、「作業報告書」の作成と管理、スマートフォンから、オフライン環境でも利用できる作業スタッフ用画面、電子マニュアルなどがある。

▲アサイン状況や作業状況が一目でわかるグラフィカルなディスパッチ画面(テラスカイのサンプル画面)

これらを実際の業務で活用するにあたっては、各業務プロセスを見直したうえで、システム側でも業務に合わせて調整していく必要がある。特にザクアの場合、独自開発した旧システムからのリプレースでもあり、システム移行にともなう業務プロセスの見直しにはかなりの時間と労力を費やしたという。
「当然のことですが、現場からは、なるべく今のプロセスを変えたくないという要望が出ます。しかし、それをすべて受け入れていては、追加開発にかかる時間もコストも膨大になり、パッケージのメリットがなくなってしまいます。そこで、現場にも"現状にこだわるのではなく、未来のことも見据えて、新しいシステムを作っていく"という方針を伝えながら、現状の業務プロセスを見直していきました。できる限り、業務側をパッケージに準拠する形に改めながら、不可欠な部分のみをカスタマイズ、追加開発するというやり方で作業を進めました」(目崎氏)
導入パートナーにはセールスフォース・ジャパンから紹介された、多数のSalesforce Field Service導入実績を持つテラスカイを選定。共同でのプロジェクトは、2020年8月にスタートした。機能追加では、スタッフとの契約形態やサービス提供地域の違いに基づいた、業務ルールの条件分けなどをはじめ、Salesforce外のクラウドサービスとの連携も行った。
そのひとつが、テレフォニーサービスだ。このサービスは、顧客および担当者の双方に対し、互いの電話番号を非公開にした状態で、通話してもらうことを可能にする。サポートスタッフを外部委託する企業にとっては、便利な機能だろう。このサービスを、Salesforce Field ServiceとAPIベースで連携させ、スタッフ向け画面のボタンタップから、容易に発信できるようにした。
1年弱の開発期間を経て、2021年9月に「Salesforce Field Service」をベースとしたフィールドサポート業務の新たな管理システムがリリースされた。

ディスパッチ業務や現場での問題解決を従来よりも効率化

新システムのリリースに合わせて、現場のオペレーションも変更されたため、移行直後は若干の作業効率低下が見られたが、4カ月ほどで、以前と同等レベルまでの効率を回復できたという。今後、現場スタッフとディスパッチャーの双方が新しい環境に慣れ、新機能を使いこなせるようになることで、さらに業務効率とサービスの品質が高まることを期待している。
同社の業態上、対応すべき案件数は、顧客企業の販売量に影響を受けやすいという特性がある。特に繁忙期において、1日でいくつの案件に対応できるかが、重要な成果指標のひとつになる。
「旧システムでは、例えば、スケジュール変更があると、ディスパッチャーが案件の情報を見ながら、手入力でプランを組み直す必要がありました。新システムでは、グラフィカルな画面を見ながら、ドラッグ&ドロップの平易な操作で組み替えができるようになりました。さらに、ディスパッチャーと作業スタッフが、常に同じ画面を見ながら調整できるので、ミスコミュニケーションによるトラブルも、以前と比べて減っていると感じます。手配作業の効率は大きく高まっています」(目崎氏)
また、新システムの導入に合わせて、作業スタッフが利用する端末を旧式のフィーチャーフォンからスマートフォンに切り替えた。さらに、作業マニュアルやナレッジの電子化を進めており、現場での判断が難しい問題が発生した場合はスマートフォンで調べ自己解決率を増やすことで、拠点スタッフへの問い合わせ負担の減少も見込む。
「マニュアルやナレッジをポータルサイトにまとめておくことで、現場の作業スタッフが問題を自己解決しやすい環境を作っていきます。人数が限られる拠点スタッフに対する電話問い合わせの頻度を減らせますし、作業スタッフの訪問先での作業時間の短縮にも寄与できると見込んでいます」(目崎氏)

フィールドサービスを皮切りにSalesforceの活用範囲を拡大

目崎氏は、Salesforce Field Serviceによるプロセス管理システムを、今後、さらに同社の業務にマッチし、ビジネスに寄与するものに進化させていきたいと語る。先述のように、Salesforce Field Serviceには、さまざまな条件に基づいて、ディスパッチ作業を自動化、最適化するためのエンジンが標準で搭載されているが、現状は利用していないという。
「ディスパッチのオートメーション機能は、システムだけでなく、業務側のルールやプロセスも並行して洗練させながら、ザクアの事業形態に合う、より良い機能の使い方を探っていく必要があると思っています。提携先ごとのルールや、現場スタッフごとの条件の違いなどを考慮しようとすると、現状では、すべての作業をデジタルで完全に自動化するのは難しいです。状況によっては、拠点の社員が、現場のスタッフと電話で会話するという、アナログな手段を使ったほうが、うまく調整が進むケースもあります。しばらくはその時々の条件を考慮しながら、われわれにとってベストなコントロール方法を検討していきたいと思います」(目崎氏)
同社では、フィールドサービス業務の管理ソリューションとして導入したSalesforceを、より多くの業務課題に対応するシステム化のプラットフォームと捉え、活用範囲を広げていきたい意向だ。
「われわれはSalesforceを業務システムのプラットフォームとして、さらに使いこなしていきたいと考えています。フィールドサービスは、最初のきっかけに過ぎません。既存の業務システムの状況を見ながら、効果が見込める部分については、Salesforce上に新たな機能を追加して展開していく。さらに、必要があれば周辺のシステムと連携しながら、業務の効率をより高めるものへと拡張していきたい。そのイメージは、既にあります。具体的な検討に入る時には、今回の導入を支援してくれたテラスカイにも、改めて相談に乗ってほしいと思っています」(目崎氏)
*2023年1月現在の所属・役職は、キューアンドエー株式会社 情報システム本部 副本部長。
この事例は、2022年9月に作成されたものです。

【本事例の導入製品・サービス】

Salesforce Field Service
客先などの現地で行う、システムや機器などの設置・保守・修理・メンテナンス業務を効率的に管理する、フィールドサービス業務支援ソリューションです。

会社プロフィール

株式会社ザクア様

株式会社ザクア様

URL:
https://zaqa.co.jp/
所在地:
東京都港区
事業概要:
パソコン、スマートフォン、ホームIoTなどの、ICT分野におけるフィールドサポートサービス事業
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